みなごろしのストラット-真田幸村異聞録-(2)

西条真二

無事二条城に到着し、将軍「徳川家茂」と対面した幸村たちであったが、フランシスコ・ザビエルが二条城を強襲し、タリナを攫ってゆく。幸村たちはタリナを救うべく、薩長の本拠地に乗り込むことを決意するが…？

• カテゴリ: 少年・青年マンガ
• ジャンル: 少年マンガ
• 出版社: KADOKAWA
• 掲載誌・レーベル: ドラゴンコミックスエイジ
• 電子版発売日: 2016年08月09日
• コンテンツ形式: EPUB
• サイズ(目安): 80MB

[ブクログ · ★★★★★]

思った以上に、サクッと終わっちまってらぁ
やっぱ、いくら、今、真田ブームが来ているとは言え、さすがに、これは攻めすぎたか
ただ、（２）で終わるからか、西条先生、思いっきり、自分らしさを盛り込み、描きたい真田の生き方と逝き方を描き切ったな、と感じた
実際、この『みなごろしのストラット―真田幸村異聞録』も、他作品に劣らぬほど、真田幸村のイイ意味での生き汚さが表現されていた。真田幸村ってのは、どんなピンチであろうとも、そう簡単には諦めず、手前の目的を貫く男だ
不死者ゆえのグロい表現が多かったが、これはこれで、生きるか死ぬか、男らの存亡を懸けた、恨みっこなしの本気の殺し合いの凄まじさを引き出せていた
また、この時代の女の強さをヒロインであるタリナが、しっかり魅せてくれた点も高評価だ
敵も味方も、世の理から外れた者らは全員死亡、両陣営の全滅で終幕かと思いきや、まさかの展開。ここも、ある意味、西条先生らしい
しぶとく生き残った幸村やタリナらは、きっと、環境が変わろうとも、自分の信念だけは汚されまい。すんなり、現代社会に馴染んで、好き勝手に、自分の思うがままに生きていきそうだ
今現在は『鉄牌のジャン！』執筆で忙しいだろうけど、余裕が出来たら、もう一度、歴史モノに挑戦してほしい。もしくは、小説をコミカライズしてほしいな。何がいいのか、と聞かれたら困るが、西条先生の絵柄なら、夢枕獏先生か、菊池秀行先生の小説がピッタリじゃないだろうか
この台詞を引用に選んだのは、幸村だからこそ説得力があるコトバだな、と感じたので。どんな人間だって、ずっと、気を張っていられない。隙を突かれてしまう事もあるだろう。だが、そんな人間だからこそ、一度の失敗で学ぶ。学ばねば、ホントのバカだからだ