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1千万人に及ぶ巨大な人間の集団が働いた黒部の谷底。そそり立つコンクリートの岩壁に積み重なった7年の歳月の重さ―。黒部ダムを含む黒部川第四発電所の建設プロジェクト(通称くろよん)は、戦後の経済復興の本格化に伴う電力不足を受け、昭和31年に着手、38年に完成した。高さは186メートルで国内一。昭和39年、毎日新聞に連載された同名の記録小説に、数十枚の加筆を行ったこの作品は、「黒四で苦労した大勢の人たちの、人間の記録を書きたい。この工事で殉職した171人の人々のために、紙碑を立てたい」という著者、木本正次の強い意志によって産み出された。当時の関西電力会長、太田垣士郎は「ぜひ、生きた、血の通った文学の碑を立ててください。殉職者に限らず、黒四で苦労した人たちのために、どうか人間の記録を残してください」と答えたという。三船敏郎、石原裕次郎主演、熊井啓監督の大作映画の原作小説。
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Posted by ブクログ
黒部の太陽
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初版が昭和39年です。
一度、廃刊になって、その後、復刊となりました。
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【後書き】
著者が振り返っています。
著者が畏友とする司馬遼太郎氏の祝辞です。
「文学にはすべて原典というものがある。原典を書くということは文学者すべての念願なのだが、木本氏 はそれを本書で果たされた。二〇世紀の神話と謳われる黒四の工事については、後世いろんな文学作品や 著述が生まれるだろうが、その原典として、その人たちは本書を必ずひもとかねばならない。同じ文学の 道にたずさわるものとして、まことにうらやましい限りである」
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【黒四ダム】
工期7年長、総動員数1,000万人。
工事費500億円超。
施主.関西電力の当時の資本金100億円の5倍の規模です。
施工は、大成、間、佐藤工業、熊谷組です。
【工事の始まり】
前人未踏の大工事です。
そのため、施工会社は見積もりすらできません。
施工会社は、関西電力からの申し入れ、嘆願を受け入れ、言い値で施工を開始せざるをえませんでした。
ふもとの村に資材をおくための用地交渉、買い取り。
ここから難航します。
地縁がある地元の人は、土地を手放したくないためです。
【雪との戦い】
過去の黒部第一から第三のダムの工事では、雪崩にあい、宿舎ごと流された痛ましい事故がありました。
そのことを鑑み、頑丈はもちろん、衛生上にも申し分の無い施設をつくり、施工スタッフを迎えよう!という関西電力の気持ちも描かれています。
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【印象に残るシーン】
1.施工会社大成建設
責任者自身が事故、そして1年近くの入院されました。
急死に一生の状況でした。
この方は、その後取締役として、安全面を担当されたとのことです。
2.関西電力の当時の社長
この難工事が社長の揺るぎない信念で支えられていたこともわかります。
また、なぜその信念を持ちつづけられたのか?の背景も理解できます。
多くの難関に対して、一切ひるまず「金は気にするな。安全とそして国民の生活に電力を」の姿勢を貫かれました。
当時の滋賀県、奈良県の全域の電力をカバーする黒四工事。
トップのリーダーシップ、生き様がみてとれます。
3.破砕帯
1秒間に500リットル以上の地下水が吹き出した難所。
この難所に挑んだのが、トンネル、ダムの名施工の笹島組です。
40代の若き親方社長の「突破できる」の信念、そして7か月に及ぶ水抜きがあってのトンネル貫通でした。
映像と違い、文字で味わうノンフィクションの世界。
私は、好きです。
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