天沢君とカムナちゃん

すたひろ

ある日、道を歩いていた天沢君は、たまたま落ちていた人造人間神威七号（カムナちゃん）と出会う。変な物の収集グセがある天沢君は、落とし“物”ということで、拾って持って帰ることに。そんなこんなで二人の同居生活が始まるのだが、見ているこちらが恥ずかしいほど二人はラブラブで――。

• カテゴリ: 少年・青年マンガ
• ジャンル: 青年マンガ
• 出版社: 一迅社
• 掲載誌・レーベル: REXコミックス
• ページ数: 161ページ
• 電子版発売日: 2015年07月27日
• コンテンツ形式: EPUB
• サイズ(目安): 67MB

[ブクログ · ★★★★★]

インパクトが有り余っているラブコメ
今まで、それなりの数のラブコメを読んできて、多種多様なヒロインを見てきたつもりだったが、まさか、ダルマ娘（・・・この表現はセーフ？）が正ヒロインになる日が来るとは思ってもみなかった。まぁ、厳密に言えば、カムナちゃんは人造人間で、パワードスーツを装着するのに適した体型デザインで作られているから、元から四肢がないわけで、ダルマ娘じゃないけど、表紙で少年が手足の無い少女を、幸せそうな顔で抱きかかえてたら、ビックリするだろうな
けど、その容姿の特異性だけで勝負している訳じゃないのが、この『天沢君とカムナちゃん』だ
結構、筋肉質なラブコメであるので、読み応えと満足感はバッチリ
笑わせるトコは笑わせ、キュンとさせるトコはキュンとさせる、メリハリがしっかりと付けられていて、リア充に対する軽い嫉妬混じりの幸せな気分に浸れる
また、一般常識からブチ抜けている、天沢君とカムナちゃんのカップル（？）に劣らず、他の登場人物らの個性も、しっかり突き抜けている点も高評価だ。特に、ムッチリかつムッツリな変態性を発揮している、美河さんは最高だ。実は血の繋がりが無い、天沢君のお姉さんも中身が結構、可愛い
加えて、登場人物紹介で遊び心を発揮している点も、私は好い評価を与えたい
絵柄がエッチく、美少女らの着替えや入浴などセクシーなシーン満載であるトコも、男性の読み手のハートもガッチリと掴んでいる。しかも、天沢君のバンプアップにも気愛が入っていて、すたひろ先生のストライクゾーンの広さを感じる
どっちも互いに尽し合いたい天沢君とカムナちゃん、二人の関係性がどう変化していくのか、神威博士は貧乏生活を脱せられるのか、八号の再登場はあるのか、これからが大分、楽しみだ
お勧めの話は、天沢君とカムナちゃんの愛が混ざり合い、見事な勝利を掴みとる、第七話「立ち上がれ天沢！！ 激走！！ マラソン大会完結編！！」だ
この台詞を引用に選んだのは、この『天沢君とカムナちゃん』を私同様もしくは以上に堪能した方なら、理解していただけると思うが、この一言にこそ、カムナちゃんの理屈では説明できない愛らしさが凝縮されているからだ。やはり、ラブコメのヒロインには、このような、存在感を端的に証明できる迷台詞が必要なんだろう

[ブクログ · ★★★☆☆]

「おたくの娘さん」でも近い感想を持ったが。

どうかしている題材を、
萌え要素で包むだけでいいと見做す作者も、
それを萌えに読み取ってしまう読者も、
どちらもどうかしている。
天沢くんもきっと精神年齢十歳以下で、単純に君を所有したいなどと言ってのける、ぶっ飛び。
この世界に気まずさや倫理などはない。
これぞ多重的な意義を含めて「ユートピア」なのか。