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Posted by ブクログ
今、数多い少女漫画家の中で、最も、『式の前日』等を代表作とする穂積先生が腰かけている次元に手が届きそうな人は、誰でもない、この安藤ゆき先生だろう
普段は、“私の中では”とか、他の読み手の不興を買わないように予防線も張ってしまうが、これに関しては譲れない
前作である、『透明人間の恋』は今、読み返しても衝撃的だ。しかし、この『昏倒少女』を読むと、そのインパクトなど、呆気なく吹き飛ぶ
正直、思いましたね、書店で見つけた瞬間、「良かった、まだ描いててくれてて」と
あれだけの名作を描けちゃった訳ですから、燃え尽きちゃったっつーか、満足しちゃったのか、と不安だったんですよ
実力派、そんな賞賛の表現が相応しいだけの実力を、黙々と育ててくれていたんですね、安藤先生は。個人的には、新鋭って言葉も送りたいんですけどね
男も女も読んだら、確実に、先生の個性に惚れる
芯のある乙女心も、繊細な男心も、ここまで丁寧かつ大胆に描ける少女漫画家は、この安藤先生と穂積先生以外じゃ、『日々蝶々』の森下suu先生くらいしか思い浮かばない。つまり、安藤先生も、穂積先生と同じく、私の中で殿堂入りしている羽海野チカ先生に肩を並べそうな森下先生の背中を追いかける資格がある、と言えるだろう
次回作が、読み切り集か、長編連載になるか、は定かでないが、『透明人間の恋』と『昏倒少女』を凌駕するのは確実だ
「ホットアイスチューン」
ラストでの、半ば身勝手に叩き付けるような告白が好き。やれる事を全部やってないのに、勝手に諦める男はカッコ悪いッッ
「昏倒少女」
単純に、男として、こういうストーリーは好き。お姫様抱っこに憧れるのは、何も女の子だけじゃない。恋にストーンと落ちるキッカケなんて、自分でも笑っちまうくれぇ、しょーもない、でも、自分を変えるくらい衝撃的な、相手からの些細な言動だ。仮に、この読み切り集の中から、連載化する作品を選ぶなら、断然これだ
「溢れる」
子供や大人のそれとも一線を画す、青春真っ盛りの少年少女の感じる、理由もぶつけ所も判らないイライラが力強くも優しいタッチで描かれており、女性の読み手からの共感を特に多く集めたのは、これじゃなかろうか?
「炎のゆくえ」
おばかで天真爛漫な少年と、実直で一途な努力家の少女の組み合わせってのは定番だからこそ、それで読み手をKOできれば、実力が本物と言える。ヘラヘラし、適当に生きてるように見えつつも、男として通すべき芯を知っている竹やん、そのギャップがいい。また、果歩に友人以上の感情を持っていそうなきいやんの個性もグッと来る
「パーティー」
ちょっと重めの話だが、ラストには安藤先生らしさが良く出ている。人間ってのは思い悩んで、中途半端に自分を追い詰めて、自分の道を照らす光を呆気なく見失ってしまう。だからこそ、ギリギリにまで追い込まれて気付けた、自分の本当の気持ちには、それからの人生を支える、本当の強さと輝きが宿るんだろう
素晴らしい読み切り集だった、うん
次はどれだけ待つ事になるんだろうか、って不安もあるが、待つだけの価値がある、安藤先生には
この台詞を引用に選んだのは、前作でキュンキュンさせられた言葉の数々よりも、安藤イズムを感じたので。小説家を目指している身として、この読み手の心をストレートに揺さぶれる表現を、しっかり、私の血肉にしたい。感謝!
キュン
著者の安藤ゆきさんの描く世界観が好きです。昏倒少女の続きが気になります。彼らはその後どうなったのでしょうか?どの短編もキラキラしていて素敵です。
「透明人間の恋」ほどのインパクトなくても十分楽しめる短編集です。終わり方がそれほどはっきりしてないけどハッピーエンドを思わせる。一番好きなのは最後で一番長い(長すぎる気も)の話、「パーティー」。小さい事が大ごとに運ぶ可能性がいいね。
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