無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで200万冊以上配信中!
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
松田さんは芥川が本当に好きなんだな、と感じさせられる一冊。
田端の地形までを作品に取り込んだ第一章から引き込まれた。
もうあの頃の田端なんて、どこにもないのに。
地形さえ、大きく変わってしまったのに。
大正の田端の雰囲気って、きっとこうだったんだ、と感じる。
平塚らいてう夫妻や、文夫人がとても魅力的に描かれていたのも印象的。
特に、「私がこの家に嫁ぐことを選んだんですもの(幸せです)」と言い切る文夫人の姿に、胸のすく思いがする。
それから、不気味で抗いがたい力を持つ近代の象徴としての汽車。
それ自体は、漱石の『三四郎』(だったか?)にも、例がある。
失礼ながら、最初は「今更?」という感じだった。
ただ、本作では、無心に汽車に歓声をあげる次男、比呂志がかんでくるので、汽車のイメージは非常に印象が鮮烈だった。
滅びへの道を汽車のように突き進む父龍之介が、鮮明に迫ってくる。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。