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Posted by ブクログ
地味な印象だったので後回しにしていた1冊。発売後すぐに読まなかったことをふかーく反省しました。確かに何てことない設定だし、ペンドクター、万年筆と言われても今ひとつピンと来なかったわけですが、読んでみたらこれが心に沁みる良作!
主人公の智秋は、祖父から継いだ下町商店街の文具店をひとりで細々と守っていて、ペンドクターと言われる職人でもあります。そんな彼の店に足繁く訪れる客の檜野。檜野は隣町の診療所の医師なんですが、智秋は彼のことがとても苦手。
どうして智秋が檜野を苦手としているのか?という原因が読み進むうちにあれこれ出てきて、そのすべてに納得です。笑わずにはいられない話でありながら、切なくさせられたりきゅーんとなったりさせられます。
檜野に対する複雑な心情が、とてもわかりやすく描かれているんですよね。
智秋にとって強烈に恥ずかしくて消したい記憶ナンバーワンだったことに、いつも関わっている男が檜野です。できるだけ避けたい相手だけど、決して嫌いなわけじゃないんです。そこは智秋の羞恥心からくる意地っ張りや、弱さを見せたくない矜持がすごく働いているからなんだと頷けます。だから、ずっとツンと見せて実は逃げてる態度。
そんな智秋にずーっと辛抱強くアプローチしてきた檜野の気持ちが、最初のうちは不可解だったんです。
いくらなんでも、あそこまで逃げられたらふつうあきらめるよね?と思ったんですが、そうしなかった訳というのがだんだん明かされていきます。上手いですね。思わず檜野の想いに共感してしまいました。
両想いになるまでの過程が、細かなエピソードを積み重ねて時々クスっと笑わせつつ、じっくりと描写されているところに、とても好感持てました。
エロ的にも意外にしっかり萌え感があり、おいしかったです。檜野は医者ですからね、そんなプレイも得意だったりします。もちろん、二人のHには愛がてんこ盛り。反動で芳朝には余計腹立たしい思いでいっぱいになりました。許せませんね。
徳治郎さんがいい味出してました。ちぃ坊ですよ!ちぃ坊w
ちぃ坊のお祖父さんとの思い出話にじーんときました。
何度も読み返したくなる作品です。
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