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小さな実がはじけるような、微かな一瞬。しかしそれは彼や彼女を大きく変えていく。大胆な筆致で、7組の男女に訪れるその“瞬間”を描き出す、高橋那津子の初コミックス!【収録作品】第一話 蓮先生の書斎(小説家の叔父と高校生の姪)/第二話 カウンターパンチ(負け犬ボクサーと元・恋人)/第三話 ねこたこた(書道教室に通う小学生男子と女子高生)/第四話 POLTER POSTER(彼女持ちの男とポスターの美女)/第五話 愛の逃飛行(自殺志願者と祝福プレゼンター)/第六話 金木犀の記憶(かくれんぼ中の小学生が出会った女子高生)/第七話 初恋(送辞をする中学2年生女子と憧れの先輩)
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Posted by ブクログ
くわぁぁ、何じゃ、こりゃ
甘酸っぺぇぇぇ
食べ頃真っ只中の柘榴みてぇな味が口ん中に溢れる、タイトルに偽りナッシングな内容が詰まっていた
表紙そのものが、1p目ってのが読み手の心を単純な感動で震わせてくれる
『蓮先生の書斎』
強がって素直になれない女の子が、ふとした拍子で恋に落ちてしまう瞬間は、何度見てもキュンと来るなぁ
普段、野暮ったい男ほど、仕事スイッチがONになって真剣さを帯びた顔になると、数倍はカッコよく見えちゃうんです
私も仕事中、女の子に「一番、カッコいい」って言って貰えるような顔になれるよう頑張らにゃ
『カウンターパンチ』
そりゃ、勝った方が見栄えがイイんでしょうが、世の中にゃ、理屈じゃ説明できなくても、勝った人間より格好良くなれる負け方があるんです
男の人生にゃ何度か、惚れてくれている女を振り向かせる為に、カッコ悪いくらいに本気を出さなきゃならない時があるんです。多分、惚れた女を抱きしめられる資格を掴んだ男は、その少ないチャンスを逃さなかったんだろう
『ねこたこた』
この短編集の中で、最も私が好きな一編
おしゃまな女の子が喧しい少年をキスで黙らせるシーンがあるトコ、逆に惚れた(のか?)女の悔し涙を止める為に少年がキスした揚句、赤面しちゃうシーンがあるトコ、父親が息子の心の成長を無言で喜ぶシーンがあるトコ、理由をあげれば多いが、やはり、好きな女に釣り合う男になりたいと懸命にする背伸びをする少年の愛らしさを描ききっているトコ
『POLTER POSTER』
ちょ、今、このポスター、どこにいんの?!
男の愛すべきバカさ加減を切り取った一編
十人が十人、こんな色っぺぇポスターがあったら・・・ねぇ
一体、彼女は何者なんだろう、そんな無粋な考えすら浮かばないわ。むしろ、ここで空気を入れてやらなきゃ、男が廃るでしょうよ・・・・・・ねぇ?
『愛の逃避行』
人間のイイ滑稽さと、悪い滑稽さ、両方のバランスを考えて描かれている感じがする
つまらない人間の定義は、自分をツマラナイと感じた事がない私には思いつかんが、少なくとも、つまらないって自覚がある人間には「つまらない自分から変わりたい」って願望がある訳だから、自覚がなくて、つまらない行為を繰り返すだけの、本当につまらない人間と比べればマシなんだろう
プリンのプールかw ある意味、欲望だらけの人間がパッと思いつく、実現させたいスケールのデカい願望ですよね・・・私なら何を願うかなぁ・・・・・・俗に言う、漫画肉を食ってみたいやも
『金木犀の記憶』
タイトルに偽りなし
男には、初恋と呼ぶまでには至らないけど、キンモクセイのような強い香りに鼻をくすぐられた際に、ふと思い出すような淡く甘い感情の芽生えがある、それを繊細に切り取ってくれている
この女生徒には、金木犀の芳香に隠れてしまいたいほど、隠したい恋心があったのかな、そんな風にも思ってしまう一編
『初恋』
これはあくまで、私が勝手に思う事だが、この『初恋』、高橋先生の経験を糧にして産まれた一編ではないのだろうか?
他の作品にも当然、熱意が籠もっていたが、この作品は特に強い、いや、濃かった
口の中に大火傷を負うかと思うほど、前途洋洋な学生時代だけの嬉しさも、やるせなさも、悲しさも、前向きさも詰まっていた
だけど、この咽そうになる作品にこそ、高橋先生の真髄があるような気がする
最も好きなのは『ねこたこた』、しかし、高橋先生の恋愛叙情を描く才を最も、じっくり堪能できるのは、この『初恋』だ、私はそう思う
また一人、恋愛漫画の名手が、過酷な戦場に飛び込んできたか・・・・・・でも、この先生なら、間違いなく生き残るな、そう思わせるだけの「何か」が、この『紅い実はじけた』の中で全力で弾ける瞬間を待っている
絵柄に昭和感が漂っていて、まるでタイムスリップをしたような不思議な心地になりました。時代を越える普遍性を持つ短編ばかりですが、第五話と第六話がなんだか異質でお気に入りです。
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