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IT(情報技術)ベンチャーの“移転ラッシュ”に沸く過疎地があります。それは、徳島県神山町。高齢化率46%と少子化と高齢化に苦しむ中山間地の典型のような地域ですが、これまでに9社のベンチャー企業がサテライトオフィスを開きました。ヤフーやグーグルなど大企業の社員が短期滞在で訪れることもしばしばで、空き家として放置されていた古民家が続々とオフィスに姿を変えています。
その動きはオフィスだけではありません。移住者の増加に伴って、店舗や施設のオープンが相次いでいます。ここ数年を見ても、パン屋やカフェ、歯医者、図書館などが地図上に姿を現しました。アーティストやエンジニアなどの移住も進んでおり、まさに町が生まれ変わっている印象です。
「21世紀の最先端は、東京でも上海でもシンガポールでもなく、神山にこそある」と、『里山資本主義』や『デフレの正体』を著した藻谷浩介氏が語るように、日本の未来が見える場所といってもいいでしょう。NHK「クローズアップ現代」やテレビ東京「日経スペシャル ガイアの夜明け」など、神山に着目するメディアも増えています。
神山には全国的に有名な観光スポットはありません。企業誘致に力を入れている自治体もいくつもあります。それなのに、なぜ神山に人々が集まるのでしょうか。本書は、その理由を様々な角度から明らかにしました。クリエイティブを生む場であり、新しい働き方の実験場であり、さらに人間再生の場でもある――。
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Posted by ブクログ
「移住・定住」の成功例として注目を浴びる徳島県神山町。
いま、本業であるところの新聞記者として「人口減少」について取材していて、ヒントを得たいと購入した次第。
といいますか、実は昨年、神山町のまちづくりでキーマンの大南信也さん(NPO法人グリーンバレー理事長)の講演を聞く機会に恵まれました。
移住者支援や空き家の再生、アーティストの滞在支援、人材育成、道路清掃など、そのどれもが斬新かつユニークで、目からウロコが76枚も落ちました。
本書は、特に若者がなぜ神山町に引き寄せられるのか、その秘密をグリーンバレーと移住者を通してひも解いており、大変に示唆に富んでいます。
私は特に「移住者の逆指名」という大南さんの発想に注目しました。
過疎の町・神山町には仕事がないので、仕事を持っている職人さん、それも将来子どもを持つ可能性のある若者を優先することにしたのです。
人口減少に悩むまちにとって、移住者は喉から手が出るほど欲しいですが、誰でもいいというわけではない。
持続可能な地域をつくるために敢えて条件提示しているのですね。
もちろん、「優先する」というだけで、条件に当てはまらない人は排除するというものではないことに留意する必要があります。
実際、神山町には多くのクリエイティブな若者が住み着き、それがまちに刺激と活気を与えることにつながっています。
たしかに人口約6千人のまちだからできるということもあるでしょう。
ただ、そのエッセンスはどこのまちでも参考になると、あらためて感じました。
要は、自分たちのまちのことは他人任せにせず自分たちで考え、そして何より行動するということ。
そう、阿波弁の「やったらええんちゃう」の精神です。
いい本だ。
Posted by ブクログ
<住み着く人々&企業>
徳島の神山は一風変わった「田舎」として今注目を集めている。
少子高齢化とそれに伴う地域の過疎化が進む中で、様々な移住者を集め、それをくい止めているから。
一地方都市にクリエイターやビジネスパーソンが集まるのはなぜか。
一つは、環境がアウトプットに及ぼす影響があげられるだろう。
クリエイターなら作品、ビジネスパーソンなら生産性や創造的付加価値のさらなるクオリティを求められる。
それをあげるのに神山という「場」が一役買っているのだ。
<受け入れるためのソフトとハード>
「場」を作り上げる要因として、他を排斥せず、しかし、流されることなく自身の軸を持って受け入れる神山の元来の風土、があげられる。
さらには、生活費の安さ、魅力的な古民家が多数残っていること、そして徳島はITインフラが非常に整っており(全国一)これが、情報関連企業のローカルオフィスにとっては非常に魅力的である。
<日本の未来>
少子高齢化が進み、多くの地方都市が限界集落と化していく。
それをくい止めるためには、クリエイティブな人間の集積が重要である、との神山の結論は、今後の日本の一つのモデルケースとして成り立つだろう。
<感想>
近未来、情報化社会がさらに進めば、距離は関係なくなるが、どういう「場」に住むが重要になる、という考えがある。
単に利便性の高い大都市に住めばことたれり、という考えはまだまだ強固だが少しづつ崩壊していくのかもしれない。
そのかわりとして魅力的な「場」を持つ田舎の台頭、というのはそれこそ魅力的ではあるが、いままでの保守的な傾向を覆していくのには難渋するだろう。
でもそれができないと、本当に消滅しか残っていない気もする。
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