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昭和三十二年、徳島。
貧しさと、口外できない理不尽に耐える吉彌は、卒業後に幼なじみの清治郎と神戸へ出るという希望だけを心の支えにしていた。
だが、出立の日が清治郎との別れになってしまい、吉彌の生活はさらに悪化する。
数年後、すべて捨てて逃げ出した吉彌は、裏社会の男たちとの縁で、「よし野」という女として大阪・飛田新地で働くことを選んだ。
そこで、朗らかで情の深い在日朝鮮人の俊雄と出会い、危うい裏社会に馴染んでいったころ、神戸にいるはずの清治郎と思いがけず再会してしまう。
変わり果てた自分を隠しながら、吉彌はふたたび清治郎との別れを選ぼうとする。
「サヨナラ」とはなにか。
その意味を問い続けるように、出会いと別れが幾度も交錯していく。
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