無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで200万冊以上配信中!
聖書の文章を「書いた」のは誰だったのか
古代ローマ時代、文書・文芸作品を「創作」するのはしかるべき立場の人間だったが、それを「筆記」するのはもっぱら、秘書・書記・写字生職の奴隷や解放奴隷であった。それはローマ時代に成立した新約聖書も例外ではなく、「書いた」人物の名前まで記されている箇所がある。考古学上の理由から「書いた」のが使徒本人ではないと考えられる手紙もある。当時の口述筆記に、いったん速記記号に圧縮して書き取り後から文章にふくらませる方法が使われていたことを考えると、そこには「書いた」人物の編集能力や、解釈すら含まれている可能性もあるかもしれない。
では、古代ローマ社会の奴隷の目に、イエスはどういう存在に映ったか。福音書に書かれているイエス像は、当時の社会から見てどういう存在なのか。有力者が改宗すると、しばしばその家――ファミリアに属する大勢の奴隷たちもまとめて改宗となった時代、そうした奴隷たちにとって宗教とは、キリスト教とは何だったのか。
古代ローマに生きたさまざまな立場の奴隷たちの世界を見わたしながら、ローマ社会とくに奴隷制度という角度から、新約聖書について考察する。
[目次]
地図
著者からの注記
はじめに
I 目に見えない手
第1章 エッセンシャル・ワーカー
第2章 パウロとその秘書たち
第3章 イエスの物語を読み直す
II メッセンジャーと職人
第4章 神のメッセンジャー
第5章 言葉のキュレーター
第6章 福音書の顔
III 遺産
第7章 忠実なキリスト教徒
第8章 不従順な者への罰
エピローグ
謝辞
訳者あとがき
図版一覧
注
略語と著者による引用の翻訳についての注記
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。