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朱家と延家――
かつては共に国を支えた名門でありながら、いつしか理由さえわからぬ確執を抱え、ついには死人を出し街を焼くまでに対立を深めていた。
事態に怒りを覚えた王は、その禍根を断ち切るためふたつの家を婚姻によって結び、新たな関係を築かせることとした。
朱家の末娘「夏英」は、王命により宿敵・延家の次男「武恩」に嫁ぐこととなる。
これは誰もが破綻を予想する政略結婚だった。
婚姻が決まってから6年後、ついに迎えた初夜…。
互いに警戒と緊張を抱えていた二人だが自然と惹かれ合う。
触れ合うたびにほどけていく心と身体。熱を帯びる息遣い…。
夜を重ねるうちに、夏英は「私たちの関係は冷え切った政略結婚なんかではない」と思い始める。
夏英は延家での暮らしにどこか違和感に感じていた。
義母は夏英だけでなく実子 武恩にまでよそよそしい態度をとっている。
不審に思った夏英は調べを始め
「長男さえ立派に育てれば家は栄える」という信仰にも似た義母の信念を知る。
武恩のこれまでの人生は、長男 武実の「影」そのものだった。
武恩の評判はひどいものだった。
ならず者どもとつるんでは賭博場に出入りし、酒に酔っては無関係な人間を殴りつけるなど、極悪非道なものばかり。
しかし、これらはすべて兄の悪事を弟になすりつけたものだった。
功績は兄のもの、不始末は弟のもの。
武恩は多くを犠牲にして生きてきた…夏英はこの悪夢から武恩を救い出すと決意する。
真実を暴こうとする夏英に長男の魔の手が迫ったが毅然と拒む夏英。武恩はようやく家から離れる決意を固める。
もう母の愛は求めない。
守るべきは家ではない――出会えたこの伴侶なのだと。
宿敵同士の婚姻は救いか、それとも破滅か…
愛と欲、血と誓いが絡み合う先に、ふたりを待つ未来とは。
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