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東日本大震災時、福島第一原発から30km圏内の老人ホームは、住民の避難から取り残されてしまった。ライフラインもなく、通信手段が遮断された中、職員と入居者は、続けざまに原発が爆発する音を聞く。多くの職員が放射能の影響に関する情報を得ることができず、不安を抱えて一斉に施設を後にすることを余儀なくされる。
取り残された入所者は避難が遅れるに伴い、寒さの中で目に見えて衰弱していく。老人ホームに留まり、なんとか手探りで避難の糸口を見いだそうとする職員の努力もむなしく、高齢者は避難途中や避難直後に立て続けに亡くなってしまう。避難したくてもホームだけの力では移動手段も受け入れ先も確保できない状況。そこには、放射能の恐怖と戦いながら不眠不休で入所者の命を守ろうとした職員たちの奮闘と葛藤、苦渋の決断があった。
レベル6の原発事故に直面し、手探りの中で入所者の命を守るために奮闘した介護士の決断と葛藤を赤裸々につづったノンフィクションドキュメンタリー。世界でもっとも高齢化の進む日本に突きつけられた重い命題へのヒントにあふれた一冊。
Posted by ブクログ 2013年11月12日
福島第一原発が水素爆発したとき、周辺の高齢者福祉施設ではどのような事態が起こっていたのか。「原発事故で亡くなった人はいない」という失言をした政治家がいたが、実際にはこの事故がきっかけとなって避難や慣れない土地での暮らしを余儀なくされ、結果的に命が短くなった方々が大勢いた。
デイケア、養護老人ホーム...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年11月18日
淡々と、偽りはなく、ただ東日本大震災、原発事故が起きた福島の老人ホームで何が起きたか。原発事故に続く避難はどのように行われて、利用者、職員たちはどのような状況におかれ、行動し、そして利用者のなかには避難行動の間に命を落とされた方も少なくない。
原発再稼動を口にする前に、行政の長は、国会議員はこのレポ...続きを読む
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