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久しぶりに置屋へ帰ってきた女将・若菜の息子、中也。
中也へ密かに恋心を寄せていた若手芸者の由希菜は、「私の思いを告るんだ……」と想いを胸に秘めていた。
毎年行われるお祭りの日、中也は手古舞を踊った由希菜を労うため夕食に誘った。
ほど良く酔いも回り、酔い覚ましに海岸沿いを二人で歩くことに。
「芸者やホステスには女を感じない。由希菜は可愛い妹ってとこかな」
と口にする中也。
しかし由希菜には、女将・若菜にも言えない芸者ならではの悩みがあった。
「……だから、一回だけでも、私と……」
由希菜の甘く、切なく、一途な中也への想いが……今繋がる。
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