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ミステリ史の「死角」を撃つ
ヴァージニア・ウルフは、女性作家にとって最大の困難は、〈家庭の天使〉を殺すことだったと述べた。
「家庭という名の〈密室〉」に潜む、女性たちの叛逆。
かつて女性は社会の〈周縁〉であり、探偵小説もまた、
文学の〈周縁〉だった――。
戦後女性探偵作家たちはなぜペンを執り、なぜ消えたのか?
ジェンダーの規範に挑戦し、既存の枠組みでは回収しきれない「社会の歪み」を炙り出した彼女たちの探偵小説は、抑圧に対する切実な〈抵抗の文学〉だった――。
忘れられた先駆者たちの足跡を丹念に辿り、日本ミステリ史の空白を埋める渾身の文芸批評。
【目次】
はじめに
序章 「孤独な自転車乗り」――男性原理のミステリ小説の系譜
シャーロック・ホームズ譚から『容疑者Xの献身』まで
第一章 レジスタンスとしての探偵小説――深尾登美子
第二章 子宮という〈密室〉、あるいは戦場――四季桂子
第三章 自己実現としての〈団地マダム殺し〉――大貫進こと藤井禮子
第四章 彗星のごとく現れて消えた、謎の大型新人――松原安里こと松原一枝
第五章 〈家庭の天使〉を殺す時間――夏樹静子
あとがき
【著者】
二沓ようこ
福岡市中央区在住。文芸批評、エッセイを新聞・雑誌に多数連載。「文学批評 敍説」所属。日本詩人クラブ会員。福岡県詩人賞、福岡市文学賞(評論部門)受賞。
詩集『火曜サスペンス劇場』(ミッドナイト・プレス刊)
『夏樹静子と福岡』(福岡市文学館刊)
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