呪文の言語学

呪文の言語学

ビジネス・実用
2,640円 (税込)

13pt

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呪文もことばである。
ルーマニアには古い魔女文化がいまも残っているとされている――。東欧在住20年の言語学者が、魔女大国とも呼ばれるこの地の民間伝承や実体験をひもとき、“呪文の正体”に迫る。不思議でちょっと怖い呪文の世界をめぐる、まったく新しい言語学エッセイ。
◎附:「言語学者から魔女へのインタビュー」
◎カヴァー写真:スクリプカリウ落合安奈
〈ちちんぷいぷい〉、〈アブラカダブラ〉、〈ビビディ・バビディ・ブー〉……この世はさまざまな「呪文」で溢れている。(…)幼いころの私たちにとって身近なものであった呪文だけれども、そもそもあれは何だろうか。単なる語の羅列に過ぎないのだろうか。(…)本書では、(…)言語学者が「呪文という聖域」に片足を突っ込んで、先人たちの研究を足掛かりにさらに深いアプローチを試みる。――本書より

まえがき
1 魔女
100回ひゃっくりすると、ちぬの/あれから30年/ルーマニア留学/先生は魔女?/留学ないない/吸血鬼/トランシルバニアの呪われた森での儀式/魔女とキリスト教/魔女狩り/魔女の東西/キリスト教の東西/魔女大国ルーマニア/「魔女」と「魔女像」の落とし穴/キリスト教による魔術の禁止/ルーマニア正教会と魔女/魔術師の学校/ルーマニアの魔女
2 魔術
「魔術」の名称/「魔女」の名称/魔術の定義/ルーマニアの魔術/マナの魔術/雨乞いの儀式「パパルダ」/ルーマニア人の魔術におけるロマの役割/魔術の構成要素/魔術の構成要素①魔術の役者たち/魔術の構成要素②魔術行為者の性別/魔術の構成要素③詠唱条件
3 呪文
呪文の継承/魔術書と識字率/呪文の差異/呪文の「理解性」/「理解不能性」の心理/ルーマニアの意味のないことば/口調と復唱/沈黙という呪文/呪文の宛先/魔力発生源/神話的創造物/護符/呪文の効果/ことばと呪文/ことばによる類感魔術/呪文の類型分類/ことばと呪文の境目/呪文の最小単位/ぼくのかんがえたさいきょうのじゅもん
言語学者から魔女へのインタビュー 山田エリーザ
あとがき
注/参考文献/図版出典

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呪文の言語学 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    とてもとてもとても面白かった。
    確かにルーマニアは魔女や吸血鬼など、日本でファンタジックなイメージはある。
    けれど、様々な歴史的に魔女狩りなどの難を逃れたルーマニアでは、今でも魔女がたくさん実在しており、日本の多くの娯楽作品に出てくる魔女とは印象が異なり、民族としての生活に根ざした魔術を使う。
    本書では、タイトルに言語学と冠している通り、ルーマニアの魔女たちが使う→魔術に用いる→呪文について、ルーマニアの言語に基づいて分析・解説している。
    呪文の言語構造がいろいろとあって面白い。
    しかしこの本の魅力は、学術的な解説のみにとどまらず、ルーマニア出身・日本在住の魔女、山田エリーゼさんへのインタビューも掲載されているところだ。
    エリーゼさんは呪いをするにしても、頭ではなく心(胸)を使うのだと言う。その言は、本編にも言及されていたように言葉・言霊の影響の大きさとも重なる。この話を聞くと、本書におけるルーマニアの呪文は心理学の観点から見ても面白いかもしれない…誰かそういう本書いてないかな。
    あとがきも必読。
    とても面白く興味深かったので、ルーマニアの魔術と接点の多いロマについての著者の本も読んでみたいと思う。

    0
    2026年07月11日

    Posted by ブクログ

    むずかしいかもと心配だったけど、おもしろ学者さんだったので楽しく読めました。水と心は実践できそう。『魔女とキリスト教』買おうかな。

    0
    2026年02月12日

    Posted by ブクログ

    もともと読みたい本リストに入っていたところ、
    出版区の動画で小川哲さんが購入しているのを見て、
    「今だ」と思って買いに走った本。

    呪文を言語学の専門家が言及するという切り口も興味深いけれど、
    著者が東欧在住歴20年以上のルーマニアの大学教授、という経歴にも惹かれる。

    AIの発達でいよいよ言語が音声から切り離されて、文字列としての言語の影響力が高まる現代だからこそ、
    その身体性、地域性に注目が集まってほしいな、と思う。

    0
    2026年01月31日

    Posted by ブクログ

    一言で魔女、魔術といっても、ヨーロッパの各地で違う。ハリーポッタのような英国、魔女狩りのあった南ヨーロッパ、そんなイメージとは全く異なるのが本書、ルーマニア
    そんな地域ごとの違いを知るだけでもこの本を読む価値がある

    0
    2025年10月20日

    Posted by ブクログ

    ルーマニアに根付く魔女と呪文を様々な面から解きほぐす興味深い一冊。周縁のカルチャーを程よくおさえ、専門的な箇所も分かりやすく解説しており読みやすい。もちろん言語学の視点も面白く、巻末のインタビューはリアルな呪文エピソードが満載だ。呪文好きには必須の好著!

    0
    2025年09月22日

    Posted by ブクログ

    ☆4.0
    魔女とは何か、呪文の持つ不思議さの正体は、魔術はどのように継承されてきたのか。大規模な魔女狩りが起こらず生活の一部として連綿と魔術が受け継がれてきたルーマニアに焦点を当てて紐解かれていく。

    面白かった。けれど前置きは長かった。もっとたくさん呪文が載っていてそのいくつかを語彙を集計したり単語に分解してあれやこれや分析・比較したりといったことを期待していた。
    正直この本に興味を持って読み始める時点で多少オカルト方面への現実的知識は持ち合わせる人が多数で、ファンタジーの魔女や魔術師ではない、生活の知恵と少しの神秘の折り混ざった文化を持つ人々の方の魔女という大枠は知っていると思う。公認で活動するサンタクロースの存在が散々こすられて豆知識にもなるか怪しい程度に広まったみたいに。魔女は医者であり薬剤師であり、カウンセラーであり占い師であり母である。そのくらいの大まかな認識。

    インタビューが思いのほか良かった。というかこれがあってようやく落ち着いた感じ。著者自身が一番大事な部分をこのインタビューで補ってもらった、と話しているが私も同意だ。学術的アプローチだとどうしても整然と揃えて、型を作って分類して、曖昧に溶け合っている部分や感覚的な箇所を省いたり勝手に割り振ってしまうきらいがある(学者の意図などではなくどうしてもそうなる)。だが扱う対象の特性上、術者の中で曖昧に溶け合い変容していく部分や感覚で繋がって知っている箇所こそが肝要だったりする。そこが最後のインタビューでようやく落とし込まれたというところだ。個人的な経験からエリーザ氏の語りには頷けるところも多く、楽しかった。日本の霊能文化とはかなり趣が違っているがリンクする部分もあるし、多分一番大事なことは同じ。集合意識のような人類普遍の感覚の存在を目にした気がした。インタビューはもっとあっても良かった。

    総じて読んでよかったと思える本だった。第二弾がぜひ読みたいが、マイナーな国ゆえ難しいのだろうか。

    0
    2026年05月27日

    Posted by ブクログ

    ルーマニアの「耳に綿を詰めた人」。初っ端から面白い。アメリカや西欧に留学した人の話はよく聞くが、東欧ルーマニア留学、当たり前のように魔女のいる生活は興味津々、何が出るか蛇が出るか。
    本の始めと終わりのエッセイ風の部分はとても興味深く読んだ。面白くしよう、読者を楽しませようとする作者の気持ちが伝わってくる。この方、エッセイ上手いね。だけどいちばんのキモとも言える呪文に関する学術的な部分に入っていき、色々とジャンル分けしたり分類していく作業のようなページにくると、目が上滑り始めた。読んでるような読んでないような。これは、呪文を盗まれないようにと呪文が隠されていたのかも?!なんて。後半のエリーザさんの具体的で生活に溶け込んだ魔術の紹介は楽しかった。職業:魔女。書いてみたいなー。

    0
    2026年03月07日

    Posted by ブクログ

    現代までつながる西欧魔女の呪文から見る魔法(民間信仰)の楽しいお話。韻を踏む、物語る、数え上げたり減らしたりするなどの要素を細かく区分してわかりやすく教えてくれるのは楽しい。別言語の呪文との比較対照などもあれば読みたい。

    0
    2026年02月15日

    Posted by ブクログ

    日本人にはあまりなじみのないルーマニアとその文化にふれつつ、呪文とうものを言語学的に解析してある本です。
    ルーマニアの文化も言葉も、そして「魔女」というものがルーマニアと他の西洋諸国とでどのように違うのかなどの比較もすごく興味深かったです。

    著者は高校生の頃からルーマニア語を学び、現在はルーマニアの大学で教鞭をとるロマニ語(ロマ民族の言葉)の専門家でもあります。

    魔女と聞いてまず思い出される言葉が「魔女裁判」や「サバト」であるところから、
    魔女な何かしらよこしまなイメージと結びつくことが多い存在でもあります。
    が、ルーマニアでは少し事情が異なります。西と違い激しく弾圧されることもなく、キリスト教とルーマニア土着の魔女やまじないがうまい具合にミックスされて今日まで来ているらしい。

    呪文について「なるほど」と思ったのは呪文はその国の言葉で発しないと効力が薄まる、というもの。確かに、韻を踏んだりしたものは翻訳してしまうと、とたんに音のリズムが崩れて、ただの意味不明な言葉になってしまいます…。
    また、呪文は教えてもらうもの、というより盗むもの、というのも面白かった。そのため、魔女の数だけ呪文がある。

    さいごに「ぼくのかんがえたさいきょうのじゅもん」で色々ふっとんだ。
    ずっと割と真面目なトーンでお話してたと思ったら、最後に言語学界のライオス(「ダンジョン飯」主人公)みたいになってびっくりした。

    0
    2026年02月02日

    Posted by ブクログ

     著者はルーマニア国立パベシュ・ボヨイ大学日本文化センターの所長で、言語学が専門である。高校卒業後にルーマニア政府の奨学生として、前述の大学に留学している。

     我々が魔女として思い浮かべつるのは、とんがり帽子をかぶり、ほうきに乗って空を飛ぶ老婆である。しかしこれは、西欧の魔女のイメージである。ルーマニアの魔女は違っていた。妖しげな魔術、魔法を使うわけではない。といっても、日本人からするとやはり「怪しい」のだが。日本でも、占い、お祓い、或いはおまじないといったものがあり、それと同程度のものかもしれない。

     著者は言語学者なので、本書ではタイトル通り「呪文」について多くのページを割いている。本書は思っていたより、学術的な内容となっており。ちょっと難しいと感じた。最後に著者が考えた薄毛に効く(かもしれない)呪文が載っているところは、なにか面白と感じた。

    0
    2025年11月21日

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