私はドミニク 「国境なき医師団」そして「国境なき子どもたち」とともに人道援助の現場でたどってきた道のり

私はドミニク 「国境なき医師団」そして「国境なき子どもたち」とともに人道援助の現場でたどってきた道のり

1,650円 (税込)

8pt

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彼は14歳だった。ブロークンな英語を話し、ちょっとした詩を書き、私の腕にぶら下がるのが好きな少年だった。彼、リチャードはマニラのストリートチルドレン、つまり路上で生活する子どもだった。
リチャードは、マニラの街角で車に轢かれ14年の生涯を閉じた。事故のときも恐らくシンナーなどで泥酔していたのだろうと思われる。
もっと別の世界で、別の街で、別の人びとに囲まれていたなら。リチャードは生き続けることができるはずだった。誰かが愛情をもって彼に接していたなら。リチャードは死なずに済むはずだった。
彼の命の重みを思いながら、この本を書き進めたい。(本文より)

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