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第二次世界大戦末期に日本軍により行われた「特攻」。戦後80年経った現在でも、いまだ定義があいまいなままの「特攻」とは何だったのか。命をかけて出撃し、生きて還ってきた4人の航空兵へ丹念な取材を行い「これまでほとんど誰にも話してこなかった」証言から特攻の真実に迫る。
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Posted by ブクログ
アジア•太平洋戦争でアメリカに対して重工業力、資源量、科学技術力の全てに劣る日本は、人命を投げ打つ、特攻作戦に手を染めた。空に陸に海に戦闘機やモーターボート、そして爆弾を自らが抱えるなどして、的に対して突っ込んでいくその姿は、我々戦後の平和しか知らない世代からすれば、想像も出来ず、また想像に絶する行...続きを読む為としか思えない。それらはイスラム過激派による車両やハイジャックした民間航空機を使った自爆攻撃にも例えられるなど、今なお、自らの命をも犠牲にする究極の攻撃方法は我々に恐怖感を抱かせる。勿論、現在のテロリズムに基づく攻撃と、かつての特攻を同列で語る事は、亡くなった特攻隊員やその遺族にとって甚だ失礼ではあるし、それをするつもりは毛頭ない。だが、窮地に陥った体制側の考える究極の攻撃方法である事は間違いない。かつての日本はそこまでアメリカによって追い込まれたし、それでも戦争を止めようとは思わなかった。そして国のため、天皇のため、愛する家族のため、自身の信念に基づき、更には命令により強制的になど、理由の如何を問わず、数千人の若者が戦場に散った。自らが抱えた爆弾が超至近距離で爆発するから、その言葉通り空気中に自らの肉体と共に「散る」。 本書はかつての日本が行ってきたこの特攻を体験しつつもさまざまな理由で生還を果たした、元特攻隊員4人へのインタビューから得られた、特攻の真実および、そこから現代に生きる我々が学ぶことの大切さを教える一冊である。教えるといっても、ただの行為としての記録として捉えて仕舞えば、それ以上のものは無い。実際にそこに従事し、一度は死を覚悟しながら、それを生き延びた数少ない証言者の言葉からは、その事実以上の生き様(死に様)の一端を窺う事ができる。今の感覚ではとても理解に苦しむ事かもしれないが、当時戦時下に於いて、自分自身や家族、大切な恋人、友人が今日か明日か死ぬかもしれないという時代。徹底した軍国教育で生まれながらにして戦争に勝つ事、戦争で自らを犠牲にする事が美しい事だと教えられた若者達。悲しいかな彼らは操縦桿を握り、爆弾を抱え、最後の瞬間まで大切な何かを守ろうとし、若い命の火を最大限まで輝かせ、そして消えていったのである。こう書きながらも勿論私自身がそうした体験をしたわけでも無いし、前述した様にこの平和な世とは全くかけ離れた世界を想像するには限界がある。だからこそ、こうしたその後を生きた人々の証言に耳を傾ける事は非常に重要な事だと思うし、将来に向かって平和を維持し続けるために必要な知識であると感じる。 大量の爆弾を抱えて日本上空10,000メートルを悠々と飛び回るアメリカの超大型爆撃機B29。それに挑み、自らの戦闘機「屠龍」を体当たりさせた操縦士の野辺重夫軍曹、そして後部座席で野辺に命を預けた高木伝蔵兵長。本書はその2人の壮絶な特攻シーンから物語を始める。彼らが激突の瞬間まで何を考え、そして後世に何を伝えようとしたか、今となっては誰も真実はわからない。だから、その後を生きた4人の証言を聞きながら考えるのは我々自身である。
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