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Posted by ブクログ
航空会社で働く美空は、父からすすめられた“パイロットとのお見合い”を頑なに拒否していた。
その相手・朋也の、過去に見てしまった「冷酷で傲慢」な一面がどうしても忘れられなかったから。
けれど、断固拒否したはずのお見合い相手が、なぜかその後も美空の前に現れ、距離を縮めようとまっすぐに迫ってくる。
最初は避けてばかりの美空も、体調を崩したときの彼の献身的すぎる介抱や、向き合おうとする真剣な姿勢に少しずつ心を揺らされていく。
パイロットという職業へのトラウマと、過去の挫折にまだ傷が残る美空にとって、朋也の存在は怖くもあり、でもどうしようもなく惹かれてしまう相手でもあった。
物語の中で特に印象的なのは、ヒーローの“落差”。
誰に対してもクールで無表情、塩対応だったはずなのに、美空にだけは甘くて一途で、時に熱くて…。
後半のデレ具合はギャップが大きく、彼の不器用な愛情がじわじわ伝わってきて胸が温かくなる。
また、職場の先輩・瀧上さんがヒロインを大切に思っている姿勢もとても良かった。
真正面からぶつかる朋也と瀧上の“職場バチバチシーン”は緊張感もありつつ、どこか切なくて、読みごたえのある対比になっていたと思う。
さらに、ヒロインの父の言動が“良かれと思って”なのか“自分の都合なのか”曖昧なところもあって、読んでいて複雑な気持ちになる場面も。
けれどそのぶん、美空が自分の気持ちと向き合い、過去の痛みに整理をつけていく姿はとても健気で、応援したくなる主人公だった。
恋愛的な刺激やドロドロした展開よりも、
「相手を理解しようとする過程」
「諦めた夢とどう向き合うか」
「仕事への姿勢」
など、丁寧に描かれた“心の距離の変化”が魅力の物語。
最後まで一途に追いかけ続ける朋也の粘り強さと、支えてくれる環境に少しずつ心を開く美空。
じんわり胸に沁みる読み心地でした。
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