近代日本の別荘建築 湘南大磯の邸園文化

水沼淑子

大磯は明治期より別荘地として発展し、山縣有朋、伊藤博文、西園寺公望、岩崎彌之助、古河虎之助ら政財界人をはじめ、徳川家など旧藩主も別荘を構え、別荘地としての確たる地位を築いた。特徴的なのは、邸宅と庭園双方への所有者の執着であり、造園、園芸、園遊会などを中心とする別荘生活が重要だった。本書は大磯町所蔵の家屋関連行政文書から、別荘地の形成、建築の特徴、別荘を設けた人物の来歴や暮らしを詳らかにする。

• カテゴリ: ビジネス・実用
• ジャンル: 学術・語学 / 理工
• 出版社: 創元社
• ページ数: 352ページ
• 電子版発売日: 2024年05月17日
• コンテンツ形式: EPUB
• サイズ(目安): 77MB

[ブクログ · ★★★★★]

明治18年に海水浴場開設とともに保養地・別荘地として発展してきた大磯。
この地に別荘を建築してきた政財界の人々、旧大名の華族達、皇族のそれぞれの別荘の特徴、来歴を豊富な図版を示しつつ、明治～昭和と時代とともに大磯全体としての別荘建築の流行廃りが理解できる、近代の建築好き、歴史好きにはとても興味深い一冊。

現在、「明治記念大磯邸園」として旧大隈重信邸と聴漁荘の見学ができるようになっており、実際見に行ってとても素晴らしい建物だったので、その知識の補強としても良書です。