「きみに断る権利はない。きみは私の面倒を見るべきだ」
風情漂う三光寺通りで小さなカフェをひらいている緋色。マンション用地として周辺一帯の買収話が囁かれるも、とりあえずは平穏なくらしに満足していた。ところがある日、店の前で倒れていた記憶喪失の男・新月に気に入られ、この正体不明の男を居候させることになってしまう。品のある美形だがとんでもなく横柄で、おまけに「二人は運命の相手」と、おかしなことをぬかすのだ。そんな新月に翻弄される緋色だったが、刺激的な日々が心地よいとすら思えてきて……。
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