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天涯孤独だったチコちゃん。とんでもない謎のブス、トモちゃんに出会い、人生が徐々に変わってゆく。アルバイトを始め、ちょっとエッチな仕事もこなせるようになった。でも、一番そばにいるトモちゃんの正体は相変わらず謎のまま。ディープな大阪を舞台にさらにディープな登場人物たちが織り成す喜怒哀楽てんこ盛りの人情劇。
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Posted by ブクログ
2巻はさらに様々な人々に出会うチコちゃん。少しづつ社会性を得ていく。 んで、チコちゃんのバイト先の同僚の名が姜さんというのは、この作品というか森下の姿勢を示す象徴的な部分だと思う。 日本の漫画で外国人が登場するとき、多くの場合その人が外国人であることに何らかの意味がある。読者も、外国人のキャラクター...続きを読むが登場したら、彼が外国人であるという事実が関係する展開を無意識に予想する。漫画において、外国人とはまさにその名の通り外の人であり、内の理論とは異なる何かをもたらすものとして機能する。外国人であることをカッコに入れることは許されず、外国人として振舞うことを求められる。彼らはどこまでも部外者であり、隣人ではないし、なりえない。 そこを森下はさらりと隣人として描く。この姜さん、読みが「きょう」でなく「かん」なので、たぶん韓国・朝鮮系の名前。彼女は外国人としての振る舞いは求められず、宮崎さんでも山形さんでも石川さんでも置き換え可能なキャラクターとして機能している。置き換え可能なキャラクターに対して、姜さんという韓国・朝鮮系の名前をつけること、姜さんは宮崎さん山形さん石川さんと同値であり、そこに言外の意味はない。外国人としての姜さんではなくただ隣人としての姜さん、ということ。 実際、作品の舞台となる大阪は、在日韓国人・朝鮮人の数が絶対数でも人口当り比率でも圧倒的に多い。多いだけに排斥や差別の問題は常に燻っているけれど、日常生活においてはまさに珍しくもない隣人である。友人にも同級生にも同僚にも必ず何人かはいて日常を送っている。だから同僚が姜さんだとしても何ら不思議はない。 しかし、現実にはなんの珍しさもない描写が、漫画作品としては極めて異例なものとなり、かえって違和感を呼び起こす。漫画の文法に組み込まれ、それを描き手も読み手も受け入れることで無意識に刷り込まれた「外国人」という記号。森下裕美は文法の枠組みを踏み越えることで、文法に隠れて漫画が巧妙に回避してきた差別意識さえもその射程に捉える。
少年アシベと比べると描写が随分過激になったなあ。1巻の方がトモちゃんが活躍してチコちゃんを徐々に死にたい程の無気力から救いつつあったのに。。。この巻は正直微妙。どこへ進もうとしてるんだろう。
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