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ダンスホールの閉鎖やレコードの検閲、「健全」な娯楽の推奨などに顕著なように、満洲事変期からアジア・太平洋戦争期に至る戦時期には、政治や経済だけではなく、文化や日常生活が総力戦体制に組み込まれ、統制されていた。
帝国議会や各種委員会の議事録、文部省、内務省、警視庁、内閣情報部(のちの情報局)の資料、新聞報道などの歴史的な史料やエビデンスを丹念にたどり、国民精神総動員運動や厚生運動の内実、決戦非常措置要綱の狙いや背景などを解説しながら、戦時下の娯楽政策の全容と変遷を明らかにする。
統制や制約、あるいは自主規制や忖度などが入り交じるなかで、音楽・映画・演劇・文学・美術など、日常に欠かせない娯楽が戦争に否応なく動員され、ダンスホールやカフェなどの飲食業が転廃業や従業員の解雇を余儀なくされた実態を浮き彫りにする。
Posted by ブクログ 2023年12月24日
本書は前の戦争で文化、娯楽、日常がどれだけ戦争目的に抑圧されたのかが詳細に記述されている。
逆に戦後は「新しい戦前」を目指し、所謂サブカルチャーに戦争や暴力を肯定的に描いたものが、意図的、系統的に、お子さんや若者の娯楽として執拗にこの数十年間作り続けられている。(例:「ゼロ戦はやと」「宇宙戦艦ヤマ...続きを読む
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