暗い庭

暗い庭

爛熟の世紀末文学

マリオ・プラーツが『肉体と死と悪魔』において言及した数少ないスペイン作家バリェ=インクラン。W・B・イェイツやガルシア=ロルカを想起させる作品など、この世ならぬ場所へと誘う、17の短篇小説。頽廃の園へ。

神秘主義的なキリスト教と土俗的な民間信仰、背徳的な罪咎の宴――

高貴な輝きと隠遁の雰囲気を湛えた昏い廃園は、夢うつつに微睡みながら訪れる客人を待ちわびる。

「放しません。貴女は僕のもの、貴女の魂は僕のものです……肉体は欲しません、いずれ死がそれを奪いに来るでしょうから。」
――「我が姉アントニア」より

装丁:岡本洋平(岡本デザイン室)

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