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30年近く続いたポスト冷戦時代は、時代に乗り遅れた日本の長期低迷時代でもあった。しかし米中対立を軸とする新冷戦時代で、いままでの日本のピンチが逆に大チャンスになる。 内外の情勢に通じるエコノミストが分析する国際情勢の変化と日本復活のシナリオ。
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Posted by ブクログ
少し前に読んだのだが、現状で進行している世界経済のデカップリングが理屈としてすっと入ってくる本だった。自分はこの本を読んで、なんとなく肌で感じてきた変化を明確に意識するようになった。 明治時代に日本は欧米による世界の植民地分割から逃れるために死に物狂いで改革を行った。そこから植民地分割を行う側に参画...続きを読むしたが失敗し、国土は焦土と化した。しかし戦後は冷戦が起こって朝鮮戦争やベトナム戦争を肥やしにして日本経済は復活する。バブルの絶頂が共産圏の崩壊と重なったことは偶然ではない。その後、グローバリゼーションが起こると、国際企業は世界で最も安い場所にサプライチェーンを構築した。中国が急成長する一方、日本はずっとデフレで産業の空洞化が進んだ。要するに日本経済の浮沈は外圧と常に一体だったのだ。 その風向きが今、変わろうとしている。経済で結びつくグローバリゼーションは分断され政治リスクが意識されるようになった。今や日本は安全で、しかも安い国になった。産業の空洞化が是正されるのには少し時間がかかるだろうが、日経平均も4万円を突破し、その影響は少しずつ目に見えるものになってきている。
米ソ対立を「冷戦」と呼んだ時代があった。壁の崩壊とともに終焉したかに見えたがいま世界は再び分断の影を濃くしている。米中の角逐は経済から安全保障にまで広がり新冷戦と称される局面を迎えた。軍事力や人口規模で劣る日本は一見不利に見える。だが技術力や外交の柔軟さを活かせば橋渡しの役割を果たす余地は大きい。力...続きを読むの誇示ではなく信頼を紡ぐ力こそ国の真価を問う。勝者とは覇を唱える国ではなく平和を導く国なのかもしれない。
新冷戦の風向き次第では、日本は追い風に乗るチャンスがあるというが本当か?トランプ政権でどうなるのか。 一般的に、日本の未来については、悲観論の方が多い。 ここは冷静になって、分析と理論構築が必要なのだと思う。 著者は「上手く風に乗れれば、日本復活のチャンスはある」と説く。 確かに「風が吹けば桶屋が儲...続きを読むかる」という部分もあるかもしれないが、それを期待してよいものなのか。 米中の新冷戦によって、様々なサプライチェーンの見直しが、世界規模で図られている。 「世界の工場」である中国に依存することが、大きなリスクだとして、製造拠点を中国外に求める動きが出ている。 特に重要な物資については、中国に限らず、ある一国だけの製造拠点に頼るのは、国家の安全保障に直結する問題だとされている。 半導体製造のシェアが非常に高い台湾を問題視する流れも同じことだ。 だから選択肢を増やす施策をとることになるのだが、これはこれで簡単な話ではないだろうと、私自身感じてしまう。 もちろん私のような素人でなく、プロの目線で様々な分析をしているのだから、勝ち筋は見えているのかもしれない。 ただ、ここは楽観視せずに、慎重に検討したいところだ。 サプライチェーンを見直すことになれば、単純に考えれば、調達のコストは格段に高くなってしまう。 物の値段は上がり、これが家計に直接影響を与える訳なので、今のままでは国民の生活が苦しくなるだけだ。 つまり、なんでもかんでも分散させればよいという訳ではないから、このコスト上昇のデメリットと、安全保障のメリットをバランスさせる必要がある。 そもそも「何の物資を見直すか」かという選択も、非常に難しいところだと思う。 前述した「半導体」については、改めて国内に製造拠点を持とうという流れで舵を切っている。 果たしてこれが成功するのかどうか。 国内で何を製造するかの選択をしても、結局半導体製造に関する材料の、ほとんどすべてを海外からの輸入で賄うのであれば、あまりリスクの大きさは変わらないと思うのだが、ここが難しいところだ。 日本人特有かもしれないが、そもそもお人好し体質であるし、勝つための戦略を練ることが苦手だと思っている。 先の大戦においても「なぜこんな馬鹿げた失敗を」という、目も当てられないようなお粗末な戦い方をした場面がいくつもあった。 「神風が吹けば」的な、他力本願の部分も大きい。 さらに、災害大国でもあるため、「何が何でも勝ち取るぞ」という気持ちよりも、「しょうがないか」と諦めが早い点についても、日本人的特徴だと感じてしまう。 もちろん、自分自身もこれらの血を引いているために、一概に否定はできないのだが。 私自身は、他人任せにすることはあまり好きではないのだが、日本という地政学的な位置付けを考えると、「大国に振り回される小国」という立場ゆえに、自分たちの思い通りにならない宿命を背負っているのは間違いない。 今世界で起きていることの情報を整理して、その中で日本国家にとっての最善策は何なのかを見つけていくのが大事だ。 しかしこれが最も難しい。 この複雑化した世界の中で、情報を整理するだけでも大変だし、諜報活動でも日本は大きく出遅れていると言われている。 さらに、デジタル化、IT化によって、日本が稼げていた主要品目が、急激に競争力を失っている。 国内は少子高齢化で、今後日本が国力を大きく伸ばしていくのは、現実的に相当難しい。 これだけ考えても、厳しい状況なのは確かだから、何としても勝てる波に乗ることが重要だ。 ロシア-ウクライナ戦争が停戦しそうな中で、戦後の世界情勢はどうなるのか。 そんな中で米中新冷戦がどうなっていくのか。 日本同様に、経済が停滞している中国。 それによって、弱体化が謳われている中国共産党は、台湾奪取に打って出るのか。 やはりカギを握るのは、トランプ大統領ということか。 日本のポジション取りは非常に難しい。 駒の進め方を一手間違えただけで、取り返しがつかないことにもなりかねない。 ここ数年の動向が、今後の世界の流れを決めそうな気がする。 当然だが、世界情勢を追いかけて、自ら判断できる思考力を養っていくしかない。 世界は大きく動いている。 止まっている訳にはいかないということだ。 (2025/1/27月)
習近平の世界覇権宣言 2017年 社会主義現代化強国 中国製造2025 一路一帯 共同富裕 技術移転の強要、技術盗用 中国が豊かになることで自由化民主化への期待が、米国の唯一の競争相手に 大国ロシア 統一ドイツとロシアで決める →米国介入NATO・東方不拡大が反故 軍需産業のウクライナ...続きを読む依存 →中国や北朝鮮に流出 ブダペスト覚書 →核放棄でウクライナの防衛力低下 ポスト冷戦 グローバル化 空洞化 IT革命 冷戦軍の平和への配当 米国一人勝ち 覇権=情報・マネー・軍事・資源 中国 内憂外患 西側投資抑制 先端分野輸出制限 インフラ不動産巨額債務 ドイツ欧州連合 ロシアの石油で工業製品を中国市場へ →新冷戦構造で崩壊 ブロック経済化 →コスト上昇 →インフレ →金融引き締め DX、EVシフト、脱炭素エネルギー 日本復活 ポスト冷戦時代 経営悪化、円高、空洞化 →竹中プランで不良債権率大幅改善 金融政策=軌道修正の短期的政策 イノベーション 平和外交 フレンド・ショアリング ブロック化で日本有利に 熊本: 水資源(地下水) 熊本平野 多数の半導体メーカー バフェット ←バリュー投資 割安株に投資 円高になればダブルで儲け
今の日本は物が安く造れず、輸入にたより貿易は赤字、海外投資の利子で、何とかやっている。本当は高くても売れるものが造れればいいが、造れない。ロシア、中国がパージされると海外で造った物が国内に回帰するかもしれず。そうすればまた景気は回復するというものである・・・ しかし、中国、ロシアはいずれ戻ってくる...続きを読むし円高でも売れるもの、アメリカのオイルサンドのような安くて新しくものが本当は必要である。いままでの円高が身の丈以上のものであって、それがおさまって、安売り合戦で何とか生き残る国になるならそれも了とすべきではあるが、円高でも生き残る国にであってはしい。
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新冷戦の勝者になるのは日本
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中島精也
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