男性育休の社会学

男性育休の社会学

ビジネス・実用
1,650円 (税込)

8pt

5.0

男性育休取得率向上の先に、われわれは何を目指すべきなのか? 日本、ドイツ、北欧での調査をふまえ、育児をめぐる文化や言説、制度の内容、改正のプロセス、実践について分析し、構造転換に向けて方策を提示する。ジェンダーにとらわれない子育てと夫婦のワーク・ライフ・バランスを模索し続けてきた著者による、集大成的大著。

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    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    自身の第二子育休の参考にと手に取った。歴史的動き、主張を体系的にまとめていただいているのも学者ならではと感じたが、個人的にはインタビューの実際の声が多数掲載されていたこと、北欧との比較検討、筆者あとがきでの筆者個人の想いなどに深く共感や気付きが得られた。

    印象に残った点
    ★筆者が男性育休がジェンダー平等の観点で重要と気付きを得たのは、育休の国際会議でEU各国が男性育休をテーマにしていたこととのこと。更には、オーストラリアでの研究駐在時での生活経験も参考になっている。こうした国際会議や海外に足を運んで浸かり、論点を吸収するのは重要だと感じる。
    •スポットのアンケート調査のみならず、政策、文化、慣行の相互作用をヒストリカルに検討している点が学者ならではと感じた。
    ★単独育休した男性のコメント:自分が勤務していた時に育休中の妻から帰宅後に色々聞いて欲しいと言われて、疲れていると言ってしまったこともあるが、自分が完全育休取得したら逆の現象が起きた。性差ではなく、人と話したいというのは人間の常。
    •2005年の次世代育成支援対策推進法
    •日本の育休制度は、夫婦それぞれが独立して最長2年も取得できる。北欧のパパクォーター制のように家族単位や夫の単独取得に限定した育休制度になっていない分、手厚さは世界最高レベルだか、女性1人だけで育休•育児が完結できる福祉制度になっており男性の育児進出、ひいては男女のキャリア面でのギャップ解消には逆効果になっていることが懸念される。

    ★「おわりに」からの抜粋。このパートが個人的には1番共感でき心が動かされた。
    •それまで明るく弱音を吐くことのなかった妻が、「自分には家とスーパーの往復しかない」と涙を流したことがある。
    •さまざまな本を読んで知識を得ていたにも関わらず、自分の妻をそのような状況に追い込んだのにショックを受けた。
    •★インターネットなどで仕事や参加できる活動を探してみてはと無責任に勧めてみたりもした。当時の妻の心身の状況ではそんな心境になれるはずもなかったのかもしれない。自分が「子育ての完全な担い手」になりきれていなかったことを痛感した。妻の大変さを自分事として捉えらることはできていなかっただろうし、平等なキャリアを築く環境を自分ぎ整えられていたとは、とても言えない。

    0
    2024年05月14日

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