「俳優」の肩ごしに

「俳優」の肩ごしに

1,650円 (税込)

8pt

4.4

日本を代表する演技派俳優が来し方を振り返り、即興風に綴った初の自伝!
――実人生と俳優業の原理は似ている。そこがおもしろい――
8月の日経新聞朝刊に連載された俳優・山﨑努さんの「私の履歴書」が早くも待望の書籍化です。連載では掲載しなかった章も多数収録、滋味深き文章にさらに磨きがかかった作品に仕上がっています。3、4歳の頃、染物職人の父におぶわれて散歩に連れて行ってもらった松戸の川べり。父の肩ごしから見ていた、赤い襦袢をまとった“狂人”への畏怖が、自分の俳優業の原点ではないかと書く少年時代。そこから上野の映画館でマーロン・ブランドを観て俳優を志す高校時代までは、なぜ自分がのちに俳優になったか、その原点を当時の思いもよらなかった行動から掘り起こしていきます。
そして俳優座養成所から文学座へ。黒澤明監督の『天国と地獄』の誘拐犯人役にオーディションで選ばれてからは、映画、舞台、テレビドラマで、演技派俳優となっていく半生を、俳優・山﨑努の肩ごしから見つめて紡いでいきます。
登場する人物は芥川比呂志、岸田今日子など新劇の人たち。森繁久彌、三船敏郎といった映画界の人たち。現代テレビドラマの最高傑作のひとつ「早春スケッチブック」の脚本家・山田太一、寺山修司、和田勉。さらに山﨑さんの主役が欠かせなかった映画「お葬式」の監督・伊丹十三。日本の俳優の演技に違和感を持ち続けたゆえに親友となった英国の俳優・演出家テレンス・ナップ……最後は円環を描くような余韻深きラストシーンが待っています。

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「俳優」の肩ごしに のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    芝居を始めた頃の山崎氏のギラギラした姿が目に浮かぶようで嬉しい。しばらくお仕事から遠ざかられていて寂しく思っていたが、またTVでお芝居を拝見出来、SNSで呟きも聞け、本まで読ませていただけて、こんな日が来るとは思わなかった。有難や。

    0
    2023年04月30日

    Posted by ブクログ

    筆者の言葉がスルスルと入ってきて一気に読んでしまいました。おこがましい話ですがこの方の世界の捉え方は自分とよく似ていると思いました。

    0
    2023年03月14日

    Posted by ブクログ

    著者の幼少期から現在に向かって進んでいくが、しだいに著者の人生から醸成された俳優論、演劇哲学の話に展開されていくのがおもしろい。淡々としているが、ユーモラスでチャーミングな語り口。至近距離で、著者の独り語り芝居を見ているような感覚だった。

    0
    2023年01月09日

    Posted by ブクログ

    稀代の名優の自伝。
    山﨑氏本人の語り口調で書かれているが、朗読が聴こえてくるよう。
    「素人に見えるくらいうまい」が理想というのは、すごく印象に残った。若いころの苦労や挫折と、それを乗り越えてきた努力と俳優への熱意も伝わってくる。
    今なお「勇気をもって投げ出すこと。守ってはいけない。」という。老害にな

    0
    2024年04月30日

    Posted by ブクログ

    三島由紀夫、安部公房、遠藤周作など、名だたる作家さんの名前が脚本家としてサラッと登場し、時代を感じると共に、当然ながら読んでいて、当の作品を観たくなった。
    即興風の書き方で、繋がりつつ、短く区切った話が順々に繰り広げられ、頭に入りやすいので一気に読めた。本を読んだというよりは、ドキュメンタリーかトー

    0
    2023年04月13日

    Posted by ブクログ

    とにかく読みやすい。
    山ぴーが敬愛する著者。
    「早春スケッチブックのイメージが強すぎて。
    でも本人も自分に近い役だったって。山田太一のドラマには無条件で出る、次に脚本も待ってるって。
    あー最近山田太一のドラマ、観てないなぁ。
    もうお年もお年だし。
    って調べたら2017年に脳出血で倒れてもう原稿は書け

    0
    2023年02月15日

    Posted by ブクログ

    山﨑努さんを初めて意識したのはTVドラマ「クロサギ」だったはず。僅かな登場シーンであっても圧倒的な存在感を持つ俳優だという認識はあったが、それを裏付けるかのような自伝だった。疎開先で過ごした幼少期や俳優座での修業時代に始まり、三島由紀夫や黒澤明監督との出会いなど、登場する面子がビッグネームばかりで圧

    0
    2023年10月29日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    あまり主観により過ぎずに語られる本書は
    山崎努さんの気恥ずかしさがあったからなのかなと思ったり。


    役者としてどう成長したのかを主観ではなくどこか他人行儀なそれこそ肩越しから覗き見ました。

    山崎さんの演技のルーツから書かれてあり楽しく最後まで読めました。

    0
    2025年11月17日

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