無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
あなたの頭の中の声は、どんなスピードで語りますか? 脳内の語りをつねに使って思考しているのに、私たちはこんな素朴な問いにさえ答えられない。本書は、内なる声(内言)や聴声(幻聴)の本質を探り、それらと思考や意識との関係を捉えなおす試みだ。読めば、内言や聴声の経験の想像を超える多様さに、まず驚かされる。脳内の「声」は当人の声に似ているか、完全な文章で語るかといった一般的性質はもちろん、スポーツ選手のセルフトーク、ろう者の場合、小説家が登場人物の台詞を綴る場合、黙読、fMRIで捉えた特徴など、内言や聴声があらゆる方向から調べられている。「声」の経験の圧倒的な多様性の前では、日常的に感覚している脳内の語りと、「病的」とされてきた聴声の間の線引きも色褪せはじめる。「多くの人の内言には、ほかの声が満ちあふれているのである。」「私たちは聴声経験の聴覚的性質にこだわるのをやめて、見過ごされてきた事実に目を向けるべきである。まず、声は交流できる存在だということ。」これらは、「対話的思考」と呼ぶべき本性への手がかりであると著者は言う。ピアジェ、ヴィゴツキーといった偉大な心理学者たちも、内言や聴声を意識の本性についての大きな手がかりとした。読み進めるほどに心を奪われる、ユニークな探究の書。
...続きを読むPosted by ブクログ 2024年01月31日
軸となる明確な結論が出るわけではないが、内言について、精神病に閉じないフラットな視点から様々な論点を提示している。
個人的な体験としては、内言→幻聴は統合失調症と直結して捉えられることが多かった記憶があるので、その認識を改める良い機会だった。雑に統合失調症にまとめられて生活苦しい方が日本には多そうだ...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年03月17日
自分の頭の中で行われる思考の「声」について書かれた本。自分にはあまりそういう認識がなかったので、多くの人が思考で自分と「対話」しているというのには驚いた(これは終盤で、ある特徴を持つ人たちは対話的内話が乏しいらしいとネタばらし的な回答が得られるのだが…)。自分の思考に伴う「内話」、統合失調症の象徴の...続きを読む
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。