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半同棲中の彼氏が、部屋に女を連れ込んでいた。
行き場もなく、コンビニの前で空腹のまま座り込んでいた詩穂に声をかけてきたのは、隣人の相楽響也(さがらきょうや)だった。
「……ウチで、飯食う?」
そのまま彼の部屋へ行く事に。
ぶっきらぼうに差し出された手料理は、驚くほど美味しくて。
タトゥーだらけの怖そうな見た目とは裏腹に、おっとり優しい雰囲気の響也に心を許し自分の事情を話してしまう。
「じゃあさ、俺たちもセックスする? 隣の彼氏にエッロい声聞かせてやろうぜ」
勢いで誘いに乗り、響也と身体を重ねてしまう。
それから毎日のように彼の部屋でご飯を食べ、抱かれ、甘やかされるうちに、詩穂は少しずつ彼に溺れていく。
このままじゃ駄目だ。離れられなくなる。
どうせ自分は、彼にとって都合のいい女のひとりに過ぎないのに。
そう思っていたある日、彼が別の女性と親しげに腕を組んでいる姿を目撃してしまう。
(やっぱり私は、その大勢のひとりなんだ)
耐えきれなくなった詩穂は、彼に黙って引っ越した。
もう傷つきたくない。裏切られたくない。そう思ったから。
――なのに。
「やーっと見つけた」
数ヶ月後。新しい家の近くのコンビニで再会した彼は、笑って詩穂を抱き寄せる。
「もう俺のこと捨てないでね」
逃げたいのに逃げられない。優しく絡め取られて溺れていく??
※本作は桃野衿の個人誌作品の電子書籍版となります。【272ページ】
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
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