天野純希のレビュー一覧

  • 歴屍物語集成 畏怖
    面白かった!
    怒涛の一気読みでした。

    天野先生の『死霊の山』がお気に入りです。信長が仏閣を焼け打ち、撫で斬りにしているのは有名ですが、この物語のラストシーンが胸に染み入ります。
  • 決戦!新選組
    新撰組のアンソロジー。
    剣で斬り合うのは決して好きではない。
    なのに惹かれる新撰組。
    時代が移ろう中で、自分の信念を生きる姿に惹かれる。
    馴染みの隊士のイメージがちょっと違ったりして、
    そんなところも面白かった。
  • もののふの国
    面白かった!
    螺旋プロジェクトともののふ(武士)たちの歴史、生き様が見事に融合され、歴史的に有名な合戦では、テンポの良い戦の描写と武将たちの想いに胸が熱くなりました。

    平将門から西郷隆盛までの戦いを、海と山の対立に当て嵌め、謎の多い人物とされる歴史上の人物が「超越的な人物」として配される。

    歴史...続きを読む
  • 猛き朝日
    読み終えて呆然としている。ものすごくよかった。木曽義仲と、それから同時代に生きた人々が、それぞれの生を生き、それぞれの戦いを戦い、それぞれの死を死んでいく。読みながらメモをとった登場人物が全部で百四名。それぞれが血肉を持った人物として眼前に浮かぶ。あの日本史の教科書では「以仁王の令旨」との文字でしか...続きを読む
  • 猛き朝日
    「俺は、源氏の世など望んではいない。源氏も平氏も、百姓も貴族も無い。すべての者が、人として等しく生きられる。そんな世を、俺は望んでおります」

    木曾義仲(源義仲)。私欲や野心もなく、常に"正しい"漢。
    人としてはいいのだけれど、天下を取るような武将としてはだめなのだろう。天下人は毒を持ち周囲を欺く位...続きを読む
  • 猛き朝日
    よかった。結末を知っている後半がつらいけれど、仲間の結束が揺らがないところが、また泣ける。子どものくだりは大河ドラマと重ねて...ついでに行家も大河と重ねてしまった
  • 猛き朝日
    木曽義仲は源平合戦の先駆けで千運に恵まれず一敗地で生涯を閉じるまでの一生を語った物語は人の心を鷲掴みにして離さない。時代が違っていたら人格者で人望もあったろう。登場人物も多士済々時の経つのも忘れて読み終わってしまった!
  • 決戦!大坂城
    すごくおもしろかった。
    子ども向けの本だと出てこない武将が登場するのがうれしい。それから、いろいろな作者の短編集だから、この人から見たあの人と、別の人から見たあの人が違うのもおもしろい。このシリーズは全部読みたい。
    一番よかったのは「黄金児」で、その次は「忠直の檻」。(小5)
  • もののふの国
    螺旋プロジェクトによる歴史物語
    人はなぜ戦いをやめられないのか?
    歴史上の英雄たちの遣る瀬無い思いに、人の生きる意味は所詮儚いものだと思わされる。
    ましてや名もなき人の人生に意味を見出す必要があるのか?
    生まれた時代にただ生きているだけなのかもしれない。
    生きる意味を考えることが意味のないことなのか...続きを読む
  • もののふの国
    螺旋プロジェクト3冊目。
    超ネタバレなので空白入れとこ。




    源平の戦いで平将門と源頼朝、平教経。
    南北朝で足利高氏、楠木正成、足利義満と世阿弥
    戦国で明智光秀と織田信長、徳川家康と豊臣秀吉、天海。
    幕末維新で大塩平八郎、坂本龍馬と土方歳三、そして西郷隆盛。

    それぞれが山と海の一族、そしてその...続きを読む
  • もののふの国
    海と山の対立が武将の戦いにうまく当てはめられていて面白かった。永遠に人は戦を繰り返さなければならないのか…
  • 紅蓮浄土 石山合戦記
    期待通りの読みごたえとスピーディーな展開で、大満足でした。いわゆる忍者が主役の話はカッコいいけど、切ないところが多く痺れます。お坊さんと信長のイメージが逆転してしまいました。
  • 覇道の槍

    人間が持つ暗部の連鎖は今も

    続いている。しかし、作者は人間の持つ善なるものに期待されていると私は読んだ。その視点から続編として三好長慶の物語を出して頂けたら思う。

    それにしても応仁の乱から織豊期へと至る時代はなかなか頭に入ってこない。幕府、管領家、そして家臣群それぞれの階層で個々の利害、思惑で動いていくため、結果的に当事者自...続きを読む
  • 回天の剣 島津義弘伝(下)

    島津四兄弟の物語

    破天の剣、衝天の剣、回天の剣と通して読んだ。
    島津四兄弟が生きた時代の史実を踏まえ、作者が紡ぐ物語に凄まじいものを感じた。歴史は勝者が作るとよく言われるが、その過程で数多の人生が交錯し人間の本質が曝け出されていることも改めて突きつけられた。この時代の沸々たる思いが数百年の時を超えて明治「維新」へとつ...続きを読む
  • 剣風の結衣
    一気読み。
    次から次へと問題が起こり息つく間もない展開にあっという間に読み終えてしまう。

    人として生まれたからには最期まで足掻き続けろ。俺が弥陀なら生きる事を諦めた者など地獄に叩き落す。

    この言葉が胸に刺さる。小説で胸に刺さるのは初めてで年齢を重ねて経験を積んだからなのか、それともリンクしたのか...続きを読む
  • 南海の翼 長宗我部元親正伝
    長宗我部元親の話。とても良かった!元親と共に夢を見、野望を見、そして、共に苦しんだ時間だった。
    天野さんの中で、一、二を争う、良い作品。

    どんなことがあろうと、子どもに先立たれるのは、耐えられそうにない……
  • 破天の剣

    島津四兄弟の物語

    島津氏に関してはとかく義弘に興味が集まる。私もそう思い込み義弘ゆかりの城々を巡った。
    しかし、本書を読み、家久の出自、行状、やがて明らかとなる軍才係る葛藤を乗り越えて如何に四兄弟が結束したかを見せつけられていたく感動した。
    家久なくして秀吉の荒波は乗り切れなかったであろうし、後の家康の荒波も家久の息...続きを読む
  • 読んで旅する鎌倉時代
    「13人」の小説家が「鎌倉」時代について書いた作品集。どの作品も面白いし、最新研究や資料を読み込まれている感じがして、興味もそそられる。
    この本片手に鎌倉を歩きたい。
  • 読んで旅する鎌倉時代
     歴史小説が苦手な人にも読みやすいと思います。
     
     様々な思惑がうごめく武家のはじまりの時代。その時代背景がよくわかりますし、素敵な話もたくさん。

     そして、何より出かけたくなる。あー、修善寺の温泉でゆったりしたい~。
  • 北天に楽土あり 最上義光伝
     まず、日本は広いなぁと読みながらしみじみ。

     戦国時代と言えば、信長、秀吉、家康しかいないような錯覚を覚えてしまうけれども、戦国の沼に嵌っていろんな作品に出合ったことに感謝。

     この小説の主人公は伊達政宗の伯父である最上義光。
     自分の父、甥、上杉と戦い続ける人生を送った戦国武将らしい人なので...続きを読む