天野純希のレビュー一覧

  • 北天に楽土あり 最上義光伝
    やっと時間が出来たので久しぶりに読書。
    天野さんはお初の作家さんです。

    政宗の叔父で極悪非道の大名と悪名高い、最上義光。

    題名が明るいので手に取ってみましたが
    さらりと一気に読めました。

    陰湿な印象の武将のわりに
    彼が治世の出羽では一揆がおきなかったそうです。

    他の武将の本も読みたいな、と思...続きを読む
  • 南海の翼 長宗我部元親正伝
    「土佐の出来人」と呼ばれた長宗我部元親について、ただ、家族のためをと思いながら時代の荒波に翻弄される姿が描かれており、非凡な才覚がありながらも、些細な歪みでうまくことが運ばなくなってしまう姿が非常に引き込まれた。
  • もののふの国
    螺旋プロジェクトの私にとっての7作品目!

    今回の時代はプロジェクト中最長の900年超!!!
    平将門〜西郷隆盛まで・・・

    入れ替わり立ち替わり登場する海と山の一族の両方の特徴を持つ長老達は、歴史を刻む者たちを促す・・・

    歴史を刻む者たちは不遇と戦い、光明を掴み、栄え滅びていく。
    祇園精舎で始まる...続きを読む
  • もののふの国
    螺旋プロジェクト3作目。源平の戦いから明治維新までの約千年に渡る争いの物語。
    色んな経緯を背に憎み合い、争い、覇権を目指す二者がいて、その背景にはかならず2つの“族”の因縁がある。古の言い伝えのように語り継がれるようになっている“二つの族”の物語が本当に背景にありそうなことをお互いが気付き出し、訝り...続きを読む
  • もののふの国
    螺旋プロジェクトという連作の、戦国時代、武士たちの物語。それぞれの作家が時代別に作品を作っている。次の時代を書くことになった作家は、前の時代の作品を読んでから作成するとしたら、8人の作家が参加したプロジェクトなので、相当な時間がかかったことが想像できる。
    本作品含めて力作揃い。
  • 猛き朝日
    平家物語に鮮烈な楔を打ち込んだような生涯。源義経もそうだが、木曾義仲の生涯も頼朝と後白河法皇の薄汚い謀の前に消されてしまう。
    真っ直ぐで輝くような生命の迸りが眩しい。平家との和睦がなっていればとか行家をもっと早く切り捨てていればとか義仲を惜しむ気持ちは強い。軍師として登場した葵という女子の存在も面白...続きを読む
  • もののふの国
    螺旋プロジェクトの1冊。
    平安ー中世のあれやこれやは、「海」と「山」の対立が原因だったのだ!は面白いけど…。駆け足過ぎて、もったいないと思いました。
  • 北天に楽土あり 最上義光伝
    ☆4.4

    出羽にて単なる小さな勢力のひとつでしかなかった最上家を、東北でも有数の大名へと栄えさせたとして有名な最上義光。
    彼の波瀾に満ちた一生を書き上げた作品。

    若い頃は妹の義にも小言を言われてしまうような、ちょっと頼りなさもあった人。
    でも、大切な妹を守るためなら身を投げだしてでも守ろうとする...続きを読む
  • 乱都
    この作品は、表現がむずかしいけど、非常に興味深いものだ。足利義輝は別として、僕が今まで読んできた小説の中で、脇役だった人物が主役であり、それぞれの思いを持って生きていたことがわかった。特に畠山義就については、よく目にするけど、全く実像が分からなかったので、長年の懸案が1つ解決した。
  • もののふの国
    螺旋プロジェクト
    フィクションノンフィクションあるけど、歴史がさっとわかった。
    歴史小説も面白いと思った。
  • 猛き朝日
    祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。
    沙羅双樹の華の色、盛者必衰のことわりをあらはす。奢れる者は久しからず、唯春の夜の夢のごとし。
    たけき者もつひには滅びぬ、偏に風の前の塵に同じ。

    人は塵みたいなものかもしれないけど それぞれ 色んな色で光ってる。
    この物語の義仲さんの生き様は せつなすぎます。...続きを読む
  • 風雲 戦国アンソロジー
    それぞれの作家特有の語り口で、戦国時代の様々な時期や場所で生きてきた人物の姿が描かれており、とても読み応えがあった。
  • 剣風の結衣
    史実の出来事とうまく話が絡められており、話に引き込まれていった。また、よくあるように主人公が無双するのではなく、守りたいものを取りこぼしてしまったり、目の前で奪われてしまう場面が多くあり、そこがより話に重みをもたらせていると感じた。
  • もののふの国
    螺旋シリーズ7作目
    螺旋シリーズで1番好きな作品かも(まだ1冊残ってますが)。
    これだけの長尺の歴史を任されて大変だったと思いますが、史実にかなり忠実で歴史好きを唸らせる脇役たちも登場させるあたり、随分勉強されて書かれているなあ、と感心しました。
    戦国時代や幕末など、たくさんの本がでていますが平将門...続きを読む
  • もののふの国
    螺旋プロジェクトの第3弾。

    この作品は期間がメチャ長くて、それでも結構盛り沢山やったので、駆け足で進んだ感がまあまあ強い印象でした。

    鎌倉時代のちょっと前から明治維新西南の役までの、時代の転換点?みたいなところを巧く描いていたと思います。が、平将門のところなんか、もうちょっとじっくりと読みたかっ...続きを読む
  • もののふの国
    平将門から西郷隆盛まで。
    もののふの時代にうまく設定が落とし込まれている。
    そもそもこれだけ長大な時代をひとつの作品で描くなんてどんなに大変だったか…
  • 風雲 戦国アンソロジー
    人が何かを悟って成長するって、良いよなぁっと思わせてくれた「又左の首取り」。松永久秀を描いた「生滅の流儀」(今村翔吾)。特に良かった。
  • もののふの国
    螺旋プロジェクト7冊目。平安末期~幕末。武力が権力の源だった時代。
    この作品では、武士が民から税を取り立てられるのは、領地を命懸けで守るため、とされている。為政者は権力が無ければ政を為すことはできない。では権力の源とは何か。おそらく「契約」なのだろう。言うことを聞けば(税を納めれば)・・・金をやる、...続きを読む
  • 信長、天が誅する
    信長を敵側から見た連作集。桶狭間に散った井伊直盛、長政が嫁お市、長島一向一揆を率いた本願寺坊官 頼旦、信玄が死後の武田勝頼、そして本能寺にいたる明智光秀
    それぞれに魔王信長と対峙した物語が新鮮で面白い。

    第一章 野望の狭間  桶狭間合戦は徳川のみならず井伊家にとっても、運命の決戦だった
    第二章 鬼...続きを読む
  • もののふの国
    ある時代を横串にした短編は数多く読んだが、縦串しの短編集は、ある意味斬新で面白く読んだ。個人的には、『もののふ』を一本通す題材の終話を幕末ではなく、西南戦争においているところは、一歴史小説ファンとして共感した。また、この『螺旋プロジェクト』中、山族、海族と表現しているものは、歴史史実を通して見ても、...続きを読む