天野純希のレビュー一覧

  • 雑賀のいくさ姫
    さまざまな人物の視点で話が展開されており、それぞれの登場人物がどのような想いを持ちながらその場にいたのかが想像でき、とても読み応えがあった。
    また、どの登場人物も個性が際立っており、とても愛着を持てた。
  • 回天の剣 島津義弘伝(下)
    関ヶ原の戦い前後の場面が描かれているが、戦の場面も細密に描かれておりとても読み応えがあった。また、それぞれの登場人物の思惑が事細かに描かれており、結末は知っているものの、とても話に引き込まれた。
  • 衝天の剣 島津義弘伝(上)
    島津義弘の視点を基本として話が展開しているが、場面によって別の人物からの視点で話が描かれており、相対している人物たちの想いについても触れることができた。
    特に、島津義久、義弘の兄弟が、互いに島津家のことを考えたり、同じような想いを持ちつつ、違う道を歩もうとしている描写が秀逸だと感じた。
  • 決戦!関ヶ原
    関ヶ原の合戦をさまざまな人物の視点から描いたアンソロジー。それぞれの物語が最後に繋がるのかと思っていたけれど、結局は完全に独立したままだったのが少し残念ですが、短編程度の文章量で立場を変えて見ることができるのは興味深い。
  • 読んで旅する鎌倉時代
    NHK大河ドラマ、鎌倉殿と13人、を見ているので、それぞれの物語を読むたびに、役者の顔が浮かび、楽しんだ。
  • 雑賀のいくさ姫
    これこれ。天野さんのこういうの待ってた。武将が主人公よりも、やっぱり市井の民の希望や心意気が感じられるこういう物語がいい。
    キャラクター造形も好きだし、物語の締めくくりも素敵だった。
    漫画チックな王道だっていいじゃない。
  • 決戦!賤ヶ岳
    木下昌輝さんが好きで読みましたが、他の方の小説の雰囲気が分かって、読みたい作品を開拓出来たところが1番良かった。
    敵陣の登場人物がまぁまぁ一緒なので、自分の担当する武将に花を持たせるために寄せて書いてるのが、歴史小説はフィクションとはいえ、続けて読むと寄せてる感が出るのだけが複雑な気分になった。それ...続きを読む
  • 燕雀の夢
    よかった。解説を読むまで下剋上がテーマとはわからなかった。単純に偉大な武将の父の土台がテーマかと思っていた。最後だけ毛色が違うと思ったら、それが下剋上は親子関係も捨てる、ということだったとは。やはり解説者は別のところを見るのだな。
  • 破天の剣
    九州の島津家久を主人公とした歴史小説。九州を舞台にした戦国時代の物語は初めて読みました。軍略の神と称された主人公が、巧妙な策略で大軍を破るシーンは興奮しました。若い歴史小説作家の他の作品にも期待です!
  • 北天に楽土あり 最上義光伝
    頁数の割にはサクサクと読めた印象。
    本作の義光は当初予想してた謀略家のイメージとは異なり、家族思いで悩みながらもお家と山形の民の為に時には手段を問わず戦い続ける人物で描かれており、感情移入しやすい設定だった。勢力的に最上家が山形で一番の大名ではなかったとは知らなかったので改めて義光の功績の偉大さを知...続きを読む
  • 紅蓮浄土 石山合戦記
    宗教と政治。日本にこの問題がないのは、織田信長の隠れた功績なのかもしれない。
    同時に、織田信長と本願寺との争いは、罪ない門徒を巻き込んでの、歴史に現れない壮絶なものである事は間違いない。
    忘れてはならない歴史の闇を垣間見た気がする作品です。
  • 剣風の結衣
    いつも時の権力者に押しつぶされそうになるのは、庶民だ。でも、その庶民にも意地がある。一矢報いて、自分たちなりの幸せな日々を築くのだ。
  • 燕雀の夢
    天野純希さんの短編集。
    有名戦国大名の父親にスポットを当てた短編集でかなり興味深かった作品。
    長尾為景、武田信虎、伊達輝宗、松平広忠、織田信秀、木下弥右衛門と錚々たる父親達で次代に何を残せるか何を為せるかと思案する男達が多く読み応えあり。
    木下弥右衛門(燕雀の夢)は史実では謎に包まれているとは思うが...続きを読む
  • 回天の剣 島津義弘伝(下)
    衝天の剣の続編であり島津家シリーズの完結編。
    義弘、家康、三成など様々な人物の視点から物語は進み、それぞれの思惑を描くことで話の深みが増していました。今作でも多くの犠牲を払いながらも、最後まで島津家を守り抜くといった強い覚悟を感じさせられます。破天の剣を読んだ時から、作者の天野さんは人の感情に響かせ...続きを読む
  • 衝天の剣 島津義弘伝(上)
    島津義弘を主人公とした、朝鮮出兵時の島津家の物語で破天の剣の実質的な続編。
    島津家にとって災難の連続が起こるので、全体的に重苦しい雰囲気で話は進んでいくが、その中でも島津家の未来に向けて最善を尽くそうと直向きな姿勢を保とうとする義弘に好感が持てる一方、暗黒面に落ちかけている義久とサイコパス忠恒の存在...続きを読む
  • 南海の翼 長宗我部元親正伝
    長宗我部元親が嫡男信親を亡くしてからの晩節の変遷など、単なる歴史小説ではなく、人生ドラマとして読み応え充分なものに仕上がっている。
    本能寺の変での秀吉の関わり方など、真実味があり大変に面白い。
    久しぶりに読み応えある歴史小説に出会えた気分。
  • 信長、天が誅する
    信長と関わりを持った5人の人物について描かれており、その時々の心境や各々の信長評が描かれていた。特に、最終話の主人公は、これまで多くの作品で描かれていた人物像とはやや異なる姿で描かれており、とても強く印象に残った。
    同日発売の、木下昌輝著の「信長、天を堕とす」と合わせて読むと、より面白さが増す作品だ...続きを読む
  • 信長 暁の魔王
    母親との関係に焦点を当てることで、いかにして、「魔王信長」が誕生したのかが描かれており、ごく僅かな期間の描写ではあるが、その後の信長の生き方を決定づける期間だったのだと感じた。
  • 戦国 番狂わせ七番勝負

    色々な味わい

    7人の作者による7本の短編集。いずれも不利な情勢から逆転した戦い、しかもそれほど有名でない戦い という共通点を持たせている。どの作者もそれなりに良い味を出しているが、私はいくらか滑稽味を帯びた岩井三四二の作品が一番のお気に入りである。
  • 蝮の孫
    酒色に溺れた愚将として描かれることの多い斎藤龍興を、国主時代のみではなくその先についても描かれており、これまでとは全く異なる人物像を抱いた。