感情タグBEST3
人間が持つ暗部の連鎖は今も
続いている。しかし、作者は人間の持つ善なるものに期待されていると私は読んだ。その視点から続編として三好長慶の物語を出して頂けたら思う。
それにしても応仁の乱から織豊期へと至る時代はなかなか頭に入ってこない。幕府、管領家、そして家臣群それぞれの階層で個々の利害、思惑で動いていくため、結果的に当事者自身も振り回されているからだ。この小説は作者の語り口で三好元長の人生を淡々と描き出している。この時代の一部ではあるが、前後の時代もあわせて私自身の頭の整理に大いに役立った。
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本作は、戦乱に明け暮れる世相の中で理想を掲げた、兄弟分のような存在だった元長や六郎の昂揚と離間を通奏低音としながら、猛将達の勇戦や駆け引きを繰り返して決着する戦、忍びの暗闘、恐るべき謀略、智勇備えた傑出した人物との出会い、妻子との愛など、様々なメロディーが展開する、「壮大でありながら、適度に纏まった交響楽」のような作品だと思う。
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織田信長が登場する二世代くらい前の時代ですね。応仁の乱から織田信長登場までの100年くらいはあまり馴染みのない時代だからか、キャラが立ってくるまでに時間がかかった。
しかし、後半は一気に読ませる。
ホント血で血を洗うろくでもない時代。人間の嫉妬というのは恐ろしいものよ…。まあ、史実とはだいぶ異なっていると思いますが、読ませる物語に仕上がっています。
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天野さんの作品は、堅苦しくなくて、かつ登場人物たち、ひとりひとりに心が込もっていて好きだが、今回ばかりは複雑な戦国の夜明けと呼べる室町末期を描くのはハードルが高かったかも知れない。一回読んだだけでは話が理解出来ない。主人公の三好元長をはじめ、一般的に有名な人物が殆ど出てこない本作は上級者向けかも。
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初読み著者ながら読み応え充分!、世知辛い人の気持ち。戦のない世の中、乱世を終わらせる夢を追いながらも、、。真っ直ぐに貫かれた忍びの志に清々しさと切なさと…♪。
Posted by ブクログ
実は気の進まない室町末期というか、戦国時代直前あたりの名前の似た足利将軍や、豪族レベルの武将達がわさわさ出てきて、ゴチャゴチャ勝ったり負けたり騙したり騙されたりするパターンのやつ。わかっちゃいたけど、作者に期待して読んでみた。つまらなくはないし、前半、中盤までそれなりに興味を持って読めたけど、やっぱり最後は息切れしてしまった。作者は悪くない。室町がいけない。