須賀しのぶのレビュー一覧

  • 神の棘II
    読むのにとても集中力の必要な心にずっしりと重い本でした。戦争に翻弄された若者たちの受難の物語り。受難としか言いようのない、その時代に生まれたことだけが不幸な彼ら。バチカン以降は涙が止まらなくてページを捲れませんでした。当たり前ですが奇跡は起こらず。最も神に愛されたのが彼だと信じたいです。
  • 革命前夜
    アーティストのKitriさんがお勧めしていたのがきっかけで手に取った本。元から歴史小説が好きで司馬遼太郎ばかりを読んでいたが、そこにはないミステリーの要素があり一気に引き込まれてしまった。ベルリンの壁崩壊前のドイツの空気感を知り、音楽家の成長過程の葛藤を知り、さらに須賀しのぶさんの小説にハマるきっか...続きを読む
  • 革命前夜
    何とも言えない読後感。「ベルリンの壁崩壊」、「東西統一」といったことばだけで知ることができない、西と東に翻弄された一人ひとりの人生や家族。音楽の美しさ、音楽の存在、音。それら全てを融合した素晴らしい作品だった。戦う人の音楽に惹きつけられる、というのは、現代でも同じなのかもしれない。ちゃんと「生きる」...続きを読む
  • 神の棘II
    歴史的背景やキリスト教の考え方含め学ぶことができた。
    スケールの大きなストーリーで非常に面白かった。
  • 革命前夜
    難しい話だった…
    私はベルリンの壁について、壁が作られていたんだよ〜ということしか知らなかったし、それが実際どういう事を意味していたのかは理解していなかった。
    物語を通して歴史の一部を知ることができてよかった。

  • 夏空白花
    野球について私は興味なかったけれど、凄く胸が熱くなる作品だった

    戦後の日本
    困窮が続く中で甲子園を再開するために尽力する
    甲子園の場面はほぼなく、甲子園を復活させるまでの物語
    そして甲子園を復活させるために尽力した男の物語
    米兵が統治する中、直談判に行き用具を集める
    並大抵の覚悟では出来ないことだ...続きを読む
  • くれなゐの紐
    倫子姐さんが最後まで筋を通し切っていて格好良かった。
    何かに依存すると周りが見えなくなるし、自分のしたいことばかりが先行してしまう気持ちはわからなくもない。登場人物がそれぞれ魅力的で最後までだれることなく読み終えれた。須賀しのぶさんの作品の中でも好きランキングで上位に来る作品。
  • 革命前夜
    本を読んで鳥肌が立つと言う経験を初めてした。
    感動という言葉では表しきれないほど大きく心を動かされて、読み終わった今も心の震えが止まらない。やっぱり読書って色んな世界に行くことができて楽しい。読書って素晴らしい、と再認識させてもらえるような一冊。

    まるで作者がベルリンの壁崩壊前の東ドイツを実際に経...続きを読む
  • 夏の祈りは(新潮文庫)
    格下の相手に敗北し号泣した30年前
    2人のエースピッチャーと進んだ20年前
    有能な女子マネージャーと挑んだ10年前

    そして「ハズレ世代」と言われる今
    彼らの甲子園への挑戦が始まった

    4つの時代の高校球児たちの話

    キンという音や爆発するような歓声が
    ページから聞こえてくるような青春の1冊
  • 神の棘II
    敵対する立場で、幾度も運命を交差させてきたアルベルトとマティアス。

    この物語の果ては、本当に慟哭という言葉が相応しい。


    神は、乗り越えられぬ試練を与えることはない。
    …などと言うのも愚かしく感じるほどの、悲惨な殺戮。意味を見出せない戦闘。
    今この瞬間も、女性や子供を含めた民間人に銃を向けている...続きを読む
  • 荒城に白百合ありて
    文庫になるのを楽しみに待っていました。発売日に届いて一気読み。
    好みが分かれるテーマ、ストーリーだと感じます。明るいとか楽しいとかいう話ではないですが、私は大好きです。
    何と言えば良いのか…自分の行動を、もう一人の自分が少し離れた所から眺めているような感覚を持った事がある人なら、主人公たちに近い気持...続きを読む
  • また、桜の国で
    まるで当時のワルシャワにいたかのように錯覚させるほとの臨場感をもった文体は見事というほかありません。慎の苦悩、ヤンとレイとの運命の出会い。ポーランドの人々がこんなにも辛い歴史を生きてきたのだということを初めて知りました。人と人とが信頼し合うことが外交の一歩であるという言葉は、現代にも通じます。この世...続きを読む
  • また、桜の国で
    ポーランドという国に対しての自分の知識の無さに打ちのめされました。。
    現実で起こった悲惨な現実...
    映像では耐え難いが、この作品の文章は心にスッと入ってきて涙が溢れました。
    もう一度読みたい作品です。
  • 芙蓉千里
    単行本のほうを読みました。実際に存在していた"からゆきさん"たちに通じるお話でした。
    心苦しい気持ちになるところもありますが、苦界に生きる女たちの強さを伝えてくれます。
  • また、桜の国で
    今この時に読むからか、ぐさりと胸に刺さる。
    戦争とは、外交とは、国家とは、人とは。

    あまりに埒外な(と自分が思う)事態が起きたときにフィクションだと思ってしまうというのは、自分の体験としてうなずけて、それがかえってつらかったです。
  • 紺碧の果てを見よ(新潮文庫)
    良い話だったとは思うがなんか薄っぺらな印象。しかし、本の感想からは離れるが、戦前の日本にはバカしかいなかったのだろうか?国民を虫ケラの様に扱う天皇以下の腹黒い国の指導部と、疑うことなくそれに従い殺し合いを美化するおめでたい勘違い集団。それが日本だったのかと情けなくなる。決して愛国心などではなく、単な...続きを読む
  • 流血女神伝 ~帝国の娘~ 1

    丁寧な絵柄に好感!

    流血女神伝のコミカライズ!もう一度カリエたちの物語が読めるなんて嬉しいです!原作を追いかけていた当時、こんなに面白いのになんでアニメ化しないのか、なんでコミカライズしないのか、原作だけで終わってしまうのがもったいない作品だと思っていました。

    原作のイラストを担当されていた船戸さんのような迫力と画力...続きを読む
  • 夏は終わらない 雲は湧き、光あふれて
    シリーズ第三弾。続きが気になって、これまた一気に読んでしまいました!高校生の濃密な1年間を疑似体験させてもらいました。やっぱり一生懸命何かに打ち込むのは素晴らしい。中村くんが個人的には一番お気に入りのキャラクターでした。
  • 雲は湧き、光あふれて

    こういうタイプの試し読みも

    こういうタイプの試し読みも有りかなと思います。というのも、複数の野球に関する短編小説からなるこの本なんですが、そのうち例えば一つの話を試し読みできるのではなくて、それぞれの短編の導入部分を試し読みできたから、その導入が面白くて、ぜひとも本編が読みたくなりました。夏の甲子園が昨日で終わり、その余韻があ...続きを読む
  • 雲は湧き、光あふれて
    野球好きにはたまらない小説でした。特に、最後のお話は感動しました。今も戦争とは違いますが、コロナ禍という過酷な状況で、全力プレーで我々を感動させてくれる球児たちに改めて感謝の気持ちが沸きました。