須賀しのぶのレビュー一覧

  • 雲は湧き、光あふれて
    須賀しのぶさん、初めましてです。

    高校野球が好きでした。

    女子校だったので、共学校の女子が地区大会の応援に行くのを見ると、
    それはもう羨ましくて。
    あの頃の高校野球って、今よりもっと泥くさかった気がします。
    出場校も今より公立高校が多く、地元出身の選手中心だったせいか
    故郷を応援する色あいがもっ...続きを読む
  • 雲は湧き、光あふれて
    一行目:スパイクの紐を結びなおす。
    BL作家の一般向け小説なぞ、どんなものかという軽い気持ちだったが、とても良かった。
    高校野球に絡む3編。その切り口がイイ。
    腰に故障を抱えたスラッガー専属の代走を打診される主人公。
    地方大会を取材する新米記者。
    そして戦時中の高校球児ー
    さすがBL作家とあって、臨...続きを読む
  • 雲は湧き、光あふれて
    須賀しのぶさんの近著は傑作揃い(革命、紺碧、ゲームセット、芙蓉…)、これも良いです。努力が報われる話が好きなのですが、須賀しのぶさんの作品では、努力してもかなわない存在(天才)や、歴史といったどうしようもないものの前でも、葛藤しつつ前進しようという人々が登場します。彼らの歩みに時折涙することも。本書...続きを読む
  • 雲は湧き、光あふれて
    高校野球を舞台にした小説集。高校球児、スポーツ記者、そして戦中の球児がそれぞれの作品の主人公。どの作品も変に青春を美化させることなく、しっかりと地に足の着いた、その上で読後感が爽やかな物語である。
    今年は高校野球が誕生してちょうど100年。例年以上に盛り上がったこの夏にふさわしい読書ができました。特...続きを読む
  • 神の棘II
    Ⅰの続き。
    ナチス時代のドイツ。親衛隊に入隊したアルベルトと、修道士のマティアス。図らずも対立してしまった旧友の物語。

    ドイツのポーランド侵攻から第二次世界大戦、そしてドイツの敗戦。戦後の様子までが書き綴られているのだけど、本当に一言で感想を述べるとすれば、「戦争は人々に何ももたらさない」というこ...続きを読む
  • 神の棘I
    全面改訂ということでハードカバー版とはけっこうな違いがあるのだろうけれど、記憶が遠くて違いがいまいちわからない。ただ、マティアスとアルベルトがより近しい友となっているというのは、著者のブログで拝見した。細部の記憶がないとはいえ、初めて読んだときの衝撃といったらなく、「一生忘れない作品」になるという印...続きを読む
  • 芙蓉千里
    長らく積んであった本ですが、
    それを後悔してしまうほどに面白かったです!!

    舞台は、日露戦争後の満州ハルビンが舞台。
    「大陸一の売れっ子女郎になる」という夢を抱いて
    この土地にやってきた少女フミ。
    そして女郎を忌み嫌いながらも売られてしまった親友のタエ。

    フミとタエの固い友情、そして彼女達の芯の...続きを読む
  • 帝国の娘 上

    コバルト文庫持ちの人も是非!

    コバルト文庫版も持ってますが、少し加筆されており、それが個人的に良かったです。
    一応シリーズ完結してますが、続きが読みたいので応援の意味も込めて購入しました。
    続巻もがあると嬉しい。
  • キル・ゾーン1 ジャングル戦線異常あり

    男女問わず読んでほしい。

    かなり、読みごたえがある作品です。外伝を含めてかなりの巻数があります。
    最初の巻はデビュー作から2作目?くらいだったと思います。最初はライトな感じですが、登場人物一人一人が丁寧に作り込まれていて、敵方も魅力的です。文章では描かれていない背景も相当作り込んでいるんだろうと思います。
    巻数が進めば進...続きを読む
  • 帝国の娘 下
    帝国の娘上と同じくさくさく読めました。やはり主人公にがっつり感情移入できなくてどうかな、と思ったけれど最後まで読むとすごく勢いのある本だと思えた。

    田舎で暮らす平凡な少女が実はお姫様だった?!なんて単純ことではない、いい意味で期待を裏切られる展開。

    自分の知っていた少女小説とは違う雰囲気の持つ須...続きを読む
  • 北の舞姫 芙蓉千里II
    単行本で読んで、文庫で再読。

    だから結末は知っているけれどやっぱり夢中で読んでしまった。
    読むたび萌える人が違う!武臣中尉がいいですね。
    軍服ってとこも含めて。(芙蓉千里の男性陣は絶対「はいからさんが通る」だと思うんです。)あとアンゲルゼを読んだ後の再読なのでこの巻は「貴ちゃんがんばれ!」だなと思...続きを読む
  • 帝国の娘 上

    ファンタジーの傑作

    コバルト文庫で15年くらい前の原作をいまだに持ってます。まだ2冊しか電子化されてないですが、かなりの長編小説です。外伝いれたら、30冊超えてます。キャラクターの作りが丁寧で、本当に読みごたえがあります。
    多くは語りません、読んでください。

  • 芙蓉千里
    7月1日~10日

    「大陸一の売れっ子女郎になる」夢を抱いて哈爾濱にやってきた少女フミ。妓楼・酔芙蓉の下働きとなった彼女は、天性の愛嬌と舞の才能を買われ、芸妓の道を歩むことになった。夢を共有する美少女タエ、妖艶な千代や薄幸の蘭花ら各々の業を抱えた姉女郎達、そして運命の男・大陸浪人の山村と華族出身の実...続きを読む
  • アンゲルゼ 永遠の君に誓う
    表紙が本当にいいですねえ。
    皆さんの感想をみると何度も読まれてる理由がわかりました…。
    なんてこと…マドマギ以来の衝撃波。

    無力なもーちゃんがもう、愛しいです。
    そしてなんと、皆さんの感想で、これが当初書かれる巻数を減らされたこと、そして補完本なる存在??
    もう手に入らない??なんてこと〜〜〜!
    ...続きを読む
  • アンゲルゼ 孵らぬ者たちの箱庭
    近未来SF少女小説。須賀さんに珍しく気弱な女子中学生が主人公。
    目立つことに怯え弾かれることを極端に恐れる、そんな子供の世界は今の現実世界も変わらなくて、学校生活、友人関係の鬱屈さの描写は辛い。
    が、天使病からの展開がエグワク(表現はえぐくて怖めだけど先が読めないワクワク感という複雑な心境)。

    ...続きを読む
  • アンゲルゼ ひびわれた世界と少年の恋
    表紙はもーちゃんの妄想でしょうか(違)。
    好きな少女を救いたいのに自分は絶対的無力と知る男の子…。
    力の暴走、暴走するもーちゃん…。
    「だって、あなたは何も知らないじゃない!」って陽菜の代わりに何度つぶやいたことか。暴走する私。
    しかし軍の4人ももーちゃんも全員せつないねえ。
  • アンゲルゼ 永遠の君に誓う
    うん、好きだ。

    これを少女小説と分類して良いものか、ちょっと悩みました。
    重いお話。

    ちゃんと完結してしまっているけど、未だに続きを読みたいと感じる時があります(笑)

    もーちゃんのデレが、
    もっと見たかった気もする。
    でも、程よい気もする←
  • 芙蓉千里
    哈爾濱の女郎屋にやってきた少女フミの物語。
    明治期の哈爾濱は日本人、支那人、ロシア人が入り混じる国際都市。人も街も描かれ方がひたすら熱く、ぐいぐいと引っ張られるように一気読みしてしまった。
    女郎屋が舞台だけに過酷で辛い場面もあるけれど、それを補って余りあるフミの強さに痺れた。
    大河小説という名にふさ...続きを読む
  • MAMA
    過去に読んだ作品。

    ライトノベルで、母子関係をテーマした作品ってあんまり読んだことがなかったので、とても印象に残っている。
  • 帝国の娘 下
     アルゼウス皇子としてほかの皇子と対面し、彼らと生活を共にするカリエ。
     それぞれ毛色の違う四人の皇子が揃い、陰謀が動き始めます。

     皇子四人とも、それぞれ違う部分で皇子としては理想的で、また問題も抱えていて、彼らが切磋琢磨していく姿が好きです。
     母親の家柄が低く、継承争いからは脱落している二人...続きを読む