寺山修司のレビュー一覧
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絢爛豪華なことばが縦横無尽にはねまわっている戯曲集。
貧困や政治や性を扱っているのに、ことばが喚起するイメージだけで、舞台が天国にも宇宙にも変わる。
放埒な中にも、シェイクスピアなり聖書なりのモチーフをさりげなく生かしているのがいやらしいほどうまい。
(テグジュペリがなんていうかは知らない)
特...続きを読むPosted by ブクログ -
初読み寺山修司。すっごくおもしろかった!増田セバスチャンさんの影響で手を出した寺山だが、ここまでおもしろいとは。太宰を読んだのもアラサーのときだったが、アラフォーにして寺山にかぶれる。読書人生どんな楽しい落とし穴が待っているかわからないもんだ。
一読して思ったのは、寺山修司はぽっかり空いた穴を埋め...続きを読むPosted by ブクログ -
言葉の連隊が大挙して押し寄せてくるようなすさまじさ…。言葉の錬金術師ってこういうことか!!!5篇の戯曲が一冊に収められていますが編み方も大変よく、見事に一つの無限ループを描いて宇宙を作ってます。みんな誰かの代理人。私は誰の代理人なんだろう?それを放棄し動物的に生きるということは意外と勇気がいる。遠く...続きを読むPosted by ブクログ
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21年振りの再読です。
購入しようとしたら、絶版だったので古本で購入しました。
有名な文豪や画家の側で生きた女性に焦点を当てている印象です。
例えば高村光太郎の智恵子抄、常に詩の題材にされる智恵子の気持ちは考えた事がなかった。
なるほどなあ、別の角度から見たらそうだよなーとしみじみしました。
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初めて手にした寺山さんの著書。
一読二読してみて、本書のタイトルの意味を理解できたかどうかが、この本(ひいては寺山さん)が自分に向いているかどうか、分かれるでしょう。
途中途中に詩や歌謡曲の歌詞を織り交ぜてくれる事で、つい感傷に浸ってしまいました。心に残る、ついメモを取りたくなる言葉が多いです。
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読んでいると実際に脳内に舞台が作り上げられていく。どんどんフィードバックされていきページをめくる手が止まらなかった。表面的にとらえてしまえば厭らしい捻じ曲がった作品かもしれないが、その中に見える願望や欲がとても美しく心に響いてくるものだった。Posted by ブクログ