寺山修司のレビュー一覧

  • 幸福論

    心の代弁者

    寺山修司の自分では言葉に出来ない、心に溜まったモヤモヤ、それを見えるものとして書いてみせたのは本当に素晴らしいです、、
    序盤にもかかわらず泣いてしまいました、、笑
    その中でも「クソくらえ!」など所々の言葉に、孤独を消し去ってくれるような、素晴らしい作品でした!
  • 寺山修司青春歌集
    寺山修司の詩集の中では個人的に一番好き。
    好きなところが沢山あるので付箋がいっぱいです。
    詩が好きな方はぜひ読んで、音読すると倍楽しめます。


    以下一部抜粋⤵
    滅びつつ
    秋の地平に照る雲よ
    涙は愛の
    ためのみにあり

    がとても好きです。
  • 花嫁化鳥
    風葬、裸祭り、鯨の墓など、日本文化における奇妙な風習を自身を金田一耕助にたとえ旅した紀行文。寺山さんの根底に親子(母親)の血縁による絆のようなものがあるのだな、と感じました。
  • 戯曲 毛皮のマリー 血は立ったまま眠っている
    絢爛豪華なことばが縦横無尽にはねまわっている戯曲集。
    貧困や政治や性を扱っているのに、ことばが喚起するイメージだけで、舞台が天国にも宇宙にも変わる。

    放埒な中にも、シェイクスピアなり聖書なりのモチーフをさりげなく生かしているのがいやらしいほどうまい。
    (テグジュペリがなんていうかは知らない)

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  • 寺山修司青春歌集
    大工町寺町米町仏町 老母買ふ町あらずやつばめよ
    新しき仏壇を買いに行きしまま 行方不明の弟と鳥
    見るために両目をふかく裂かむとす 剃刀の刃に地平をうつし
    ほどかれて少女の髪に結ばれし 葬儀の花の花ことばかな

    など、40年後も暗記しているものありがあります。
    映画「田園に死す」、老後の我が脳裏にこ...続きを読む
  • 花嫁化鳥
    風葬がある島、裸まつり、鯨の墓がある寺、青森の八戸にあるというキリストの墓の伝説……奇妙な風習と神秘的な空気が横溢する風景を探し求めて旅に出た寺山修司。ここに記された紀行文は行間から血と湿った土の匂いが立ち上るよう。彼が書き留めた風景は、恐らくもう存在しないであろう。だからこそ酷く郷愁を誘う。ふらり...続きを読む
  • あゝ、荒野
    映画鑑賞後の後追いですが、時代を現代に置き換えた映画版とあまり変わらない内容な事に驚いた。
    寺山修司がいかに現代的な(または普遍的な)感性を持っていたかということもあるが、地震などまさに今にリンクする事象も多く興味深く読んだ。
    また映画を観直したい。
  • 寺山修司少女詩集
    悲しみというのはどんなシミ?

    ひとりという鳥

    片想いはレコードの裏面の曲のようなものだ。どれだけ必死に歌っても聞こえない。
  • 誰か故郷を想はざる
    寺山修司の文章からはいつも湿った土と血の匂いがする。それがたとえ美しい詩であっても、その匂いは隠しきれない。雑多な、無秩序に犇めく人の群れ、あるいは何も無い、遠くに望む山と田畑、畦道が続く長閑すぎる田舎の風景。私が抱く寺山修司のイメージは決まってこの2つだ。本書もそんな2つのイメージから成り立ってい...続きを読む
  • 寺山修司少女詩集
    「海」 の章が好きすぎる。「海を知らぬ少女の前に……」の1句は中学の教科書に載っていて、当時衝撃だった。その句が入ってるならと思ってこの本を買ったけれど、詩の一つ一つに対し、この句に出会った時みたいにドキドキした。晴れた海岸沿いの草原で海をぼーっと見ていると、変にドキドキしてしまって家に帰っても海の...続きを読む
  • 書を捨てよ、町へ出よう
    初読み寺山修司。すっごくおもしろかった!増田セバスチャンさんの影響で手を出した寺山だが、ここまでおもしろいとは。太宰を読んだのもアラサーのときだったが、アラフォーにして寺山にかぶれる。読書人生どんな楽しい落とし穴が待っているかわからないもんだ。

    一読して思ったのは、寺山修司はぽっかり空いた穴を埋め...続きを読む
  • ポケットに名言を
    映画やら名著やらから寺山お気に入りの言葉達を集めた名言集。
    まさしく古今東西から集めた名言の中で燦然と輝くブルース・リー。<頭で考えるな。肌で掴め>はやっぱりキャッチーだなぁ。
  • 寺山修司全歌集
    これは猟奇歌の系譜の短歌ととらえることができるのではないか、と興奮しながら読みました。
    以下、個人的お気に入りの方々。


    「失いし言葉かえさん青空のつめたき小鳥撃ちおとすごと」
    「悲しみは一つの果実てのひらの上に熟れつつ手渡しもせず」
    「うしろ手に墜ちし雲雀をにぎりしめ君のピアノを窓より覗く」
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  • 戯曲 毛皮のマリー 血は立ったまま眠っている
    言葉の連隊が大挙して押し寄せてくるようなすさまじさ…。言葉の錬金術師ってこういうことか!!!5篇の戯曲が一冊に収められていますが編み方も大変よく、見事に一つの無限ループを描いて宇宙を作ってます。みんな誰かの代理人。私は誰の代理人なんだろう?それを放棄し動物的に生きるということは意外と勇気がいる。遠く...続きを読む
  • 寺山修司少女詩集
    数年前、インターネットの海で初めて見た「階段」という詩がとても好きになって、以来ずっと大切にしていたのです。

    初めて見てからほんの数週間ほど前まで、きっとわたしの知らないどなたかが書いた詩なのだろうと思っていましたが、何故だか突然誰が書いたのか?もし手に入るなら手元に置きたいと思いついて、インター...続きを読む
  • 寺山修司少女詩集
     初めて読んだ寺山修二の本が「家出のすすめ」だったせいだろうか。
     あれから彼のどの著書を読んでも、寺山修二に対するイメージは「家出少年」のまま変わることがなかった。「身捨つるほどの祖国はありや」と彼が詠んだ歌があまりにもインパクトが強かったせいもある。
     
     だがこの本を読むことにより、また一つ別...続きを読む
  • 寺山修司少女詩集
    透明で瑞々しいけど残酷な世界観。宝石の名前のついた詩はどれも好き。キラキラしてるけど最後に裏切られる。バイブル。
  • さかさま文学史 黒髪篇
    21年振りの再読です。
    購入しようとしたら、絶版だったので古本で購入しました。

    有名な文豪や画家の側で生きた女性に焦点を当てている印象です。

    例えば高村光太郎の智恵子抄、常に詩の題材にされる智恵子の気持ちは考えた事がなかった。
    なるほどなあ、別の角度から見たらそうだよなーとしみじみしました。

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  • 書を捨てよ、町へ出よう
    初めて手にした寺山さんの著書。
    一読二読してみて、本書のタイトルの意味を理解できたかどうかが、この本(ひいては寺山さん)が自分に向いているかどうか、分かれるでしょう。

    途中途中に詩や歌謡曲の歌詞を織り交ぜてくれる事で、つい感傷に浸ってしまいました。心に残る、ついメモを取りたくなる言葉が多いです。
    ...続きを読む
  • 戯曲 毛皮のマリー 血は立ったまま眠っている
    読んでいると実際に脳内に舞台が作り上げられていく。どんどんフィードバックされていきページをめくる手が止まらなかった。表面的にとらえてしまえば厭らしい捻じ曲がった作品かもしれないが、その中に見える願望や欲がとても美しく心に響いてくるものだった。