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あなたの人生は退屈ですか? どこか遠くに行きたいと思いますか? あなたに必要なのは見栄えのよい仕事でも、自慢できる彼や彼女でも、おしゃれな服でもない。必要なのは想像力! 家出の方法、ハイティーン詩集、競馬、ヤクザになる方法、自殺学入門……。時代とともに駆け抜けた、天才アジテーターによる100%クールな挑発の書。
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Posted by ブクログ
初読み寺山修司。すっごくおもしろかった!増田セバスチャンさんの影響で手を出した寺山だが、ここまでおもしろいとは。太宰を読んだのもアラサーのときだったが、アラフォーにして寺山にかぶれる。読書人生どんな楽しい落とし穴が待っているかわからないもんだ。 一読して思ったのは、寺山修司はぽっかり空いた穴を埋め...続きを読むてくれるタイプの作家ではなく、よりその穴をえぐるような扇動を仕掛けてくる挑発的な作家だということ。左翼的に思われがちな彼だが、私が感じたのは左翼も右翼も「体制」「反体制」というなんらかの体制に縛られているのに対して、寺山は「体制(スタイル)には属していない」ということ。そんな言葉があるかわからないが無体制か?ある意味アナキズムに近い気もするが、寺山はカテゴライズされることは嫌うだろう。アングラの代名詞の劇作家なので、もっと読みにくい代物かと思っていたが抜群におもしろかった。無思想足り得ることは難しいが、現代の大人にこそ寺山の挑発にのって踊っていただきたい。踊る阿呆に見る阿呆。同じ阿呆なら踊らにゃ損損。血が沸き立ちますよ。
ことばで人を、世の中を斬ろうとしている人。 本質の、大きなところに遡って思考するようにしたい。 ・ぼくたちには日常生活内の「冒険」が必要である。 生き方としての一点豪華主義。 ・ホームに帰ることがよしとされていた時代の、ホームベースに帰る野球人気。 ・あらゆる既成概念への造反は、やがて国家...続きを読むという概念への疑いにたどりつく。 ・ライスカレー人間は、現状維持型の保守は、ラーメン人間は、欲求不満の革新派。 ・勝負の世界で、何よりも大きな武器は不幸。 ・三分三十秒で命をかける、競馬。 ・わかれは必然的だが、出会いは偶然的である。 ・あらゆる文明の権力から、自らを守るためには速度が必要。
寺山修司氏の1967年の著作を、1975年に文庫化したもの。 同じ寺山氏の1963年の著書『家出のすすめ』と何となくタイトルが似ていて、混乱します。 まあ、どちらも寺山氏らしい、とっ散らかったエッセイ集ですが、印象としては、寺山氏20代の著書である『家出のすすめ』よりも、寺山氏30代の著書である『...続きを読む書を捨てよ、町へ出よう』のほうが更にとっ散らかった印象です。 これは、寺山氏が若い頃のほうが落ち着いていた、ということではなく、ベトナム戦争の影響で日本の文化が混沌としていったことが関係しているでしょう。
原作のエッセイを読んで、いまいち分かりにくかったのだが、年配の友人に寺山修司ってどういう人?って尋ねたら、映画の方が面白いよと言われて読後に鑑賞もしてみた。 確かに面白かった。原作で読んだ言葉たちが繋がった。「書を捨てよ町へ出よう」とは「町そのものを書物のように読むべし」ことだそうだ。町とはそこに...続きを読む生きている人間、光の当たらない人々の言葉なんだろうなと思った。主人公とその家族、人力飛行機で祖国へ帰ろうとする在日朝鮮人、ゲイの文通欄の言葉、娼婦、尋ね人の言葉、犯される少女の叫び、姥捨山に送られる老婆、街中の落書き、看板、街頭インタビュー、悪態をつく若者、気持ちの吐き出せないさまざまなマイノリティの言葉が出てくる。それが町の言葉なんだろうなと。 今の時代でも彼らの言葉は街中に、そしてネットの中に溢れている。でも、ないものにされてしまっている。そして眉をひそめて批判する人々があまりにも多いことに、何も変わってないんだろうと思ってしまう。
《ノック(30時間市街劇)》という演劇の存在を知り、興味が湧いたので読んでみた。寺山修司という人が、天井桟敷や、映画や、詩などを通して何をやりたかったのか少しだけ分かった気がした。当時はあらゆる人間が、とにかく何か動かしてみること、行為を起こすこと、を求めていたのかも。私は今、あした何が起こるかわか...続きを読むらない日々を生きている。何をすべきか。 『これは、決して進歩のすすめではなくて、むしろ移動のすすめに過ぎないのだが、座標軸を決めてかかった移動には、常に新鮮な視野がひらける。社会閉鎖と「あした何が起るかわかっている状況」への挑戦には、こうした休みなしの運動が必要な時代なのではないか、というのが私の考えである。』(本文より)
思わず一気読み。今でいう中二病的視点と俗っぽくて場末のスナックで一人呻いているおっさんのような人間臭いユーモアが同居していて、寺山修司の人間としての深みがアンバランスな文章に浮き出ていて面白い。笑うに笑えない、または笑えないのに笑えてしまう、というか。真面目に競走馬のセックスについて綴られている場面...続きを読むは笑ったけど。
評論集。途中の詩集は、正直、さっと読んだ。 氏と私の年齢差は24歳。金田ストライクや、ファティング原田などの共通項がかろうじてあるくらい。 素材はもちろん古いが、氏が言いたいことはわかるようになってきた。 その一つが「無菌状態で育った個体は、外界では生きられない」ということ。
博識全話題下ネタ直結おじさん。 野球は球が小さい→サッカーは球が大きい→一目見て展開が追いやすい→そして大きいタマは男性的で英雄的→大きいタマは世界を制する条件の一つ という流れは笑った。飛躍が多く到底分からない内容が多かったが失笑しちゃうほど無茶苦茶なくだりもあって逆に良かった。 第2編の若...続きを読む者の詩が好きだな。
中学生のときに買って以来つまみ読みしていたけれど、初めて通読した。第二章の賭博や競馬、パチンコの話が面白い。あと第四章の「歌謡曲人間入門」。 昭和50年刊行かあ。終戦からまだ30年だけど、今よりよっぽど豊かな時代なんじゃないかなと思う。だって、サラリーマンの終身雇用や年功序列の出世、マイホームなんか...続きを読むを”ありきたり”的に言えるんだものな…。 ジャパン・ドリームが潰え、終わりなき日常も幕を閉じた今になって読むと、ルサンチマンに苛まれ少し虚しくなってしまう。
出てくる人や時事ネタは古過ぎて知らないのも多いが、意外と当時も現代も人の悩みがそれほど変わっていないなと思う。寺山修司の目が人間の奥深い部分を見抜いていたからか。コンプレックスの塊であり、それを言葉で昇華させようともがく著者の姿は、今でも人を勇気づけるものではないだろうか。
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寺山修司
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