絢爛豪華なことばが縦横無尽にはねまわっている戯曲集。
貧困や政治や性を扱っているのに、ことばが喚起するイメージだけで、舞台が天国にも宇宙にも変わる。
放埒な中にも、シェイクスピアなり聖書なりのモチーフをさりげなく生かしているのがいやらしいほどうまい。
(テグジュペリがなんていうかは知らない)
特
...続きを読むにどの戯曲が好きというのはなくて、テーマや言い方は違えど、通底するものは同じに思える。それが何かは言葉にできないけど。
寺山修司はエッセイを1,2冊しか読んだことがないのだけど、その中の言い回しやアイデアがここにも(というか、自分の戯曲をあちらで引用していた)。
色々なところから気に入ったフレーズを蒐めてはコラージュして、繰り返し使う作家だったんだろうな。
寺山の短歌の模倣(というか盗作)なんかは有名な話だけど、国語の資料集に載っちゃってるし。
「去ってゆくものはみんな嘘」と言った天才は、そんなところも嘘だった。
戯曲という目で見ると、実現しづらそうな指定が色々あるのだけど、どこまでリアルに演じたのか気になる。
そういえば2011年に「盲人書簡」を見に行ったことがあるけど、気圧されてよく分からないまま終わってしまった。
また何か見に行きたい。