【感想・ネタバレ】幸福論のレビュー

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匿名

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心の代弁者

寺山修司の自分では言葉に出来ない、心に溜まったモヤモヤ、それを見えるものとして書いてみせたのは本当に素晴らしいです、、
序盤にもかかわらず泣いてしまいました、、笑
その中でも「クソくらえ!」など所々の言葉に、孤独を消し去ってくれるような、素晴らしい作品でした!

#深い #スカッとする #共感する

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2024年02月11日

Posted by ブクログ

一番好きな作家。
正直文章自体は理系の自分には中々難しく、かなり読み飛ばしている部分もある。
けど、この人の書く文章には力学がある。秩序を前提とした「当たり前」の矛盾に立ち向かってるパワーがひしひしと感じられる。

私の詩のなかには
いつも汽車が走っている
だが私はその汽車に乗ったことがない

心を撫でてくれるような文章はないけど、だからこそがつんときました。出会えて良かった

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2011年08月14日

Posted by ブクログ

寺山修司に触れる
理解できなくても共感できなくても
ちょっとでも良いなと思うところを探す幸福

そこを繰り返し読む幸福

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

『私たちの時代に失われてしまっているのは「幸福」ではなくて「幸福論」である』として、肉体、演技、出会い、性、偶然、歴史、おさばらの周辺部の切り口を始めとして、小説、詩、哲学、歌謡曲を縦横無尽に引用しながら語る。とは言え「こうしたら幸福になれる」とは説いてはおらず、幸福論の実体に焦点を当てている。『アランの「幸福論」などくそくらえ!』と冒頭で断言しているところも寺山修司らしい。本書は『幸福論』を越えて『人生論』としても読めるのではないか。寺山修司のエッセイを読んでいると、走るように、歩くように本を読みたいと思ってしまう。書かれた言葉の外へ出てゆきたいと不思議な衝動に駆られる。

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2022年11月20日

Posted by ブクログ

“性”を扱ってる章がとても好きだった。性行為における「イク」という言葉の意味の面白さ(距離、何処に行くのか?)風俗嬢が口にする「遊んでいかない?」というセリフ(愛していかない?ではない)
 自慰行為の想像力(僕は自慰って言葉が好き、自分を自分自身で慰めるって素敵じゃない、性的にだとしても)
 二人でいる幸福を一人の幸福とすり替える愚かしさ、(それも人間的だと夏目は思うけど)
性的にコンプレックスがある自分は読んでて楽しかった。

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2020年01月09日

Posted by ブクログ

「私たちの時代に失われてしまっているのは、
幸福ではなくて幸福論である。」

哲学といっしょで、幸福そのものよりも(そんなものはきっとない)、どうすれば幸福か、なにが幸福かを考えて行動することのほうが大切、だと思う。


・書物の歴史性を、現在化していくおは、読者の肉体である。
→どういう肉体のコンディションで本を読むか。

・スクリーンがあれば、人は何度でも死に、何度でも生きられる。

・変装の役割。差別の克服。
自分を解放する日常的な冒険。

・演技を生き方の方法にすることで、想像と現実の間の階級を取り除く。

・交際を広げたい人は、身近な人も他人とみなす疎外感。
出会いに期待する心は、幸福を探す心。

・アトム畑井。自分がボクサーになって殴られる様子がテレビに映ることで、母に自分を探してもらえるという期待。

・売春婦は、「遊んでいかない?」とは言うが、「愛していかない?」とは言わない。
ホイジンガ「愛が遊戯であり、性がまじめである」

・なぜ「いく」っていうんだろうか。
なにかが逃げていくのか。

・オナニーはランプの魔人と似てる。

・「オナニーは、出会い。自分の中に同胞を見出す行為」寺山修司

・距離と歴史。
100mを11秒で走るランナーにとっては、10000mは18分の歴史。
走ることは、過去をたぐりよせること。

・歴史で大切なのは、伝承されるときに守られる真実の内容。どうつくりかえ、再構築していったか。そこにどういう意図があったか。

・寺山修司の劇団は、身の上相談。
不幸な人が、不幸を演じればいい、という考え方。

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2014年06月08日

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幸福論は未来にしか存在せず。
アラン的幸福論による認識の転換、雨の日でも良い側面がある、などといった思考を無理に変えるような自己欺瞞ではない幸福論を。
その鍵はー想像力か?
幸福である事に対する理性的判断も捨て去る?

引用
想像力も、交換可能の魂のキャッチボールになり得たときには、幸福論の約束事になりえる。

→山の向こう、まで想像力が到達すればばいいのか?

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2014年05月09日

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『本を読むということは「人生をおりている時の愉しみ」か、あるいは「人生を何かによって閉ざされている状態の代償行為である。』
『「正義」の最大の敵は「悪」ではなく「べつの正義」なのだ、というのが確信犯の倫理である。』
『想像力があれば存在することができる』

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2013年12月22日

Posted by ブクログ

寺山修司の著作を読んだのは初めてだったのですが、とにかく引用が多いこと、登場する人物名が多岐に渡ること、文の表現や比喩、状況の描写などが独特であること、競馬の知識が皆無であること等から、その言わんとすることはなかなか理解し難かったのですが、彼の伝えたいことはその独特の文章から少しばかりは汲み取ることが出来たかなと感じました。
寺山の幸福論を読み解くための手掛かりになると思われる想像力や演技、出会い、偶然と必然などの言葉にはいささか得るものがあったのかと思われるところがあります。「出会いに期待する心とは、いわば幸福をさがす心のことなのだ」、「偶然の本質、偶然をそれ自体の存在として受けとめようと思い立ったときに、はじめて自由になれるのだ」といった言葉にも考えさせられる部分があり、読んでいて飽きない作品でした。
寺山の幸福論は多くの哲学、数学、社会学等の学問や映画、詩などの著作を引用しており、幅広いジャンルの書物の紹介書のようでもあるため、これを読むことでさらなる知的好奇心をかきたてることができることからも、是非読んでいただきたい一冊です。

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2013年03月03日

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「幸福とは決して一つの状態ではないと知ったとき、『幸福になってしまったあと』などという言葉は失くなるはずである」
ジュール・ルナアルの言葉を思い出させる一文。
寺山修司は出会いを勧める。ときには家出を、変身を、快楽を奨励する。それは常に動的である。

「幸福の相場を下落させているのは、幸福自身ではなく、むしろ幸福ということばを軽蔑している私たち自身にほかならないのである」

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2011年02月13日

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奈何せん予備知識が足りないから完全に楽しめたとは言えません。
だけど思考のやり方はこの度も素敵ですね。
「出会い」と「性」の章が好きだな。
取り上げられている題材についてもう少し理解出来たらいいなと感じた。
ので、評価は四つですのよ

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2009年10月07日

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寺山修司氏の1969年の著作を、1973年に文庫化したもの。
『幸福論』というタイトル、小難しい表現で彩られた文章で、評論を読んでいるような気分にはなりますが、寺山修司氏らしい言葉遊びが随所に飛び出す、評論風な詩集ともいえます。
幸福を感じるためには、こうしなさい、と、一応は教えてくれていますが、寺山修司氏がどんなことをしている時に幸福を感じるのか、というエッセイ集でもありますね。

どちらにしろ、自分にとって本書は気楽に読めるような内容ではなく、気力と体力が必要とされる読書になりました。

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2020年08月23日

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極めて難解。正直に申し上げて様々な文献の引用が多岐にわたり、ワタクシには十分理解が出来なかった。
表面的かつ一般的な社会性を(処世術)・理性を考慮したり希望を持つことなく、深層心理に近いレベルにおいて正直に自己表現が出来ているのかどうかということなのか?

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2014年02月04日

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 わたしの幸福とは噛み合わなかった。けれど、随所に食いこんでくる痛みのようなものを感じた。ちなみに、「幸福論」という名前のつく本はこの世にたくさんあるようですが、わたしはこの名前の本を読むのは、これが初めてです。
 最初に「わたしの詩のなかには、いつも汽車がはしっている」とあるけれど、たしかにこの文章は、めまぐるしい景色を汽車のなかでひたすら追い続けるようなところがあったなと思う。わたしの胸にひっかかったのは、「出会い」と「偶然」だった。いずれも経験による裏づけがある。新学期の朝の幸福。あれは出会いへの期待からくるものだった。それに、親になにもいわずにサンタさんからのプレゼントを待つ夜なんていうのは、偶然を期待する行為そのものだったんじゃないか。
 しかし、幸福とはなんだろう。彼の追った幸福とは、どんなものだったんだろう。

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2013年08月11日

Posted by ブクログ

優しさのある分、いつもの修司らしさである毒気に欠けるが、小さな幸せの見つけ方を教えてくれる一冊。数々の著書中、わりと女性向き。アラン、ラッセルなどいくつかの「幸福論」の中、椎名林檎のそれはここからのテイストであろう。

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2011年05月14日

Posted by ブクログ

う〜ん、難しい。
僕にはきっと寺山さんの言いたいことの10のうち1も理解できてないのかも。

でも、途中まで投げ出さずに読めたのはどこかに魅力を感じているからなのか。

また時が経って読んだとき、その時は今より理解できるといいな。

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2009年10月09日

Posted by ブクログ

書物はあくまで、時という名の書斎と、教養という名の椅子、それにいくばくかの金銭的余裕をもちあわせている人生嫌いの人たちに、代理の人生の味わいを教えてくれるだけである。
好かれるに値する人間の条件:いつも朗らか、表裏がない、さっぱりした気性、活発に行動する、はっきりした態度をとる、心が広くこせこせしない、物事に沈着冷静、不平や愚痴をこぼさない、人のことも詮索しないが、自分のこともくどくど話さない。

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2009年10月07日

Posted by ブクログ

私の精神の大半を形成している書物です。

寺山修司の幸福論です。この本は他の幸福論と一味もふた味も違う。

マッチ箱の中のロビンソン・クルーソー
肉体
演技
出会い

偶然
歴史
おさらばの周辺部
解説(佐藤忠男)

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2012年02月24日

Posted by ブクログ

この人の文の後ろに見え隠れする あまりにも膨大な知識や思想に、圧倒される。圧倒されて何も言えないし、まして自ら幸福について考えるなんて 思いも及ばない気分にさせられる。幸福について本当に真剣に考えた人は、星の数よりいるだろう。「幸福」という言葉の解釈は、そういった頭の良い人たちに任せればいい。私は、その人たちと同じかそれ以上に存在したはずの、「幸福」を頭で考えたりしなかった人たちと同じに生きたい。  と つい、思ってしまう。こんなに頭脳を酷使してたら 幸福になれるもんもなれなくなっちゃうよ

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

文章がとっても堅く、語句も非常に難解な物を引用しているため読み辛いと感じるかもしれませんが、内容を理解出来たら嬉しさや気持ちよさを感じますw

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2009年10月04日

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