寺山修司のレビュー一覧

  • 誰か故郷を想はざる
    寺山修司さんの自叙伝。
    第一章では、故郷での話が中心。ニ章からは東京へ来てからの話しが中心となっている。

    スクエア=サラリーマンの捉え方が、面白い。これはサラリーマンには理解出来ないだろうなぁと思う。

    実はこの本ずっと読みたかったんだけど後回しにしてきたんです。でも青梅の山中にある「古書ワルツ」...続きを読む
  • あゝ、荒野
    稀代のマルチクリエイター寺山修司が残した唯一の長編小説。
    前衛的なものを期待していたのだが、これがまた意外なことに大衆的。
    昭和の大衆文化を凝縮したような、喧騒にまみれた物語。
    60年代の薄汚い新宿が情景としてすぐ浮かんできた。
    この人は前衛も古典も大衆も全部網羅してしまう懐の深い作家さんな...続きを読む
  • 戯曲 毛皮のマリー 血は立ったまま眠っている
    物語をつくる人の中には、ふたつの人間がいる。
    ひとつのテーマを繰り替えし使うひと。
    おんなじテーマは二度とつかわないひと。
    寺山氏は、繰り返しつかう人であり、また、昔自分がつくったお約束をちょっとずつ替えていきながら、同じテーマを「完成」に近づけていくような人なのかもしれない、と思った。
    いわゆるオ...続きを読む
  • 誰か故郷を想はざる
    寺山修司の自伝。

    自虐的、かつ私小説に近い。
    大げさな節が多く、
    ややもすると鼻につくかもしれない。
    しかし、寺山修司の作品を、
    「書を捨てよ、街に出よ」を、
    「身毒丸」を、
    「田園に死す」を、
    彷彿とさせる。

    興味のある方は、時間と余裕があるときに。
    読書@Story Terror Cafe
  • 戯曲 毛皮のマリー 血は立ったまま眠っている
    読んだので、とりあえずあげとく。
    う~ん、戯曲の読み方が相変わらずよく分かってない私w
    とりあえず一冊通していくつかの戯曲を読むと、寺山ワールドはいろんなモチーフが繰り返し出てくるんだなあ、と。って、リンゴ。
    寺山修司と言えば私には、竹宮惠子経由でちょろっと知ったぐらいでしかないんすよね。(追悼漫画...続きを読む
  • さかさま博物誌 青蛾館
    解説にも書かれていますが、まさに「起こらなかったことも、歴史」なのです。
    このエッセイ集を読みながら、
    「あら、この寺山の歴史はきっと遡って造ったものだわ」なんて感じちゃったら最後、
    貴方は既に寺山の芸術を作動させる装置の一つです。
    お気に入りは『起さないでください』。
  • 幸福論
    う〜ん、難しい。
    僕にはきっと寺山さんの言いたいことの10のうち1も理解できてないのかも。

    でも、途中まで投げ出さずに読めたのはどこかに魅力を感じているからなのか。

    また時が経って読んだとき、その時は今より理解できるといいな。
  • 幸福論
    書物はあくまで、時という名の書斎と、教養という名の椅子、それにいくばくかの金銭的余裕をもちあわせている人生嫌いの人たちに、代理の人生の味わいを教えてくれるだけである。
    好かれるに値する人間の条件:いつも朗らか、表裏がない、さっぱりした気性、活発に行動する、はっきりした態度をとる、心が広くこせこせしな...続きを読む
  • 誰か故郷を想はざる
    暴力はいいが、権力はいけないよ。
    男には一生に一度くらい負けると分かっていても闘わなければならないことがある。
  • さかさま世界史 英雄伝
    毒舌の私も舌を巻くぐらい痛烈な風刺。
    今頃、あの世でビシビシ痛がっていることでしょう。
    ユニークたっぷりの言い回しで振り下ろされる言葉のムチ。
    寺山修司にかかれば、エジソンだってキリストだって一撃です。
    さかさまから眺めると、世界史はこんなにもおもしろいのだ。
  • あゝ、荒野
    久々の感想;読むのに夢中で(^_^;)華恵ちゃんが表紙のこの寺山修司の文庫本シリーズ表紙がすきだし、寺山修司(何やら有名らしいとしか知らない)を読むなんてかっこいいのかもしれないと、前々から読みたかった本夏目漱石とかまではいかなくても、それなりに昔の人で、難しい本と思ってたら全く違うやん…!武者小路...続きを読む
  • 誰か故郷を想はざる
    彼の言葉はどうしてこうも不快なんだろう。
    見たくないものを突きつけてくるからか?

    抗うのはいいけれど、それをどこかで美化していて、
    文章化することで虚構の世界で輝かせて。

    本当はどうなの?虚構は虚構なの?真実が含まれてるの?
    寺山さん、どうなんだよ。
  • 寺山修司青春歌集
    映画『田園に死す』を観たので再読。
    殆どは短歌ですが、『新・病草紙』『新・餓鬼草子』といった古文体の昔話の様な短編も有ります。

    タイトルには「青春」とありますが、そんなにストレートに爽やかではありません。
    確かに短歌が作られた時期は「青春時代」とも呼べる若かりし頃ですが、
    その作品には昏さや前進出...続きを読む
  • 幸福論
    私の精神の大半を形成している書物です。

    寺山修司の幸福論です。この本は他の幸福論と一味もふた味も違う。

    マッチ箱の中のロビンソン・クルーソー
    肉体
    演技
    出会い

    偶然
    歴史
    おさらばの周辺部
    解説(佐藤忠男)
  • 寺山修司青春歌集
    挽肉器にずたずた挽きし花カンナの赤のしたたるわが誕生日

    海を知らぬ少女の前に麦藁帽のわれは両手をひろげていたり
  • 幸福論
    この人の文の後ろに見え隠れする あまりにも膨大な知識や思想に、圧倒される。圧倒されて何も言えないし、まして自ら幸福について考えるなんて 思いも及ばない気分にさせられる。幸福について本当に真剣に考えた人は、星の数よりいるだろう。「幸福」という言葉の解釈は、そういった頭の良い人たちに任せればいい。私は、...続きを読む
  • さかさま世界史 怪物伝
    寺山修二デビュー。ハイ、遂に手に取りました、読みました。
    ラスプーチン、写楽、サド侯爵、マキャヴェリ、モーゼ、ネロ、ダーウィン・・・etc
    寺山的世界史上の有名人批評本。
    寺山の名前は前から知ってたし、なんとなく気になってもいたと思うんだけど、食わず嫌いでずっと放置してた。
    前に一度読んで見ようとし...続きを読む
  • さかさま世界史 怪物伝
    後世に名を残した歴史上の人物や思想家,科学者などを取り上げ,さまざまな角度,とくに負の側面にスポットを当てて批評を加えていくというコンセプト.ニュートンやヒットラーを初めとして,モーセやら空海やらグリム兄弟やらと,もうありとあらゆる分野の人物が矢面に立たされてしまう.批評の内容はともかくとして,著者...続きを読む
  • 幸福論
    文章がとっても堅く、語句も非常に難解な物を引用しているため読み辛いと感じるかもしれませんが、内容を理解出来たら嬉しさや気持ちよさを感じますw
  • ポケットに名言を
    寺山修司撰名言集。気が向いたときにちらほらと。人によって名言と感じるものは違うけど。他人の選んだ名言は、アンテナをひろげる意味でもおもしろい。