寺山修司のレビュー一覧

  • 戯曲 毛皮のマリー 血は立ったまま眠っている
     寺山修司さんの戯曲。
     ≪サイコパス・PSYCHO-PASS≫の引用から興味を持って。

    ≪さらば、映画よ≫
    「映画なら上手も下手もないですよ」
    「映画もつまんない。ハンフリー・ボガートが死んでしまったもの」
    「そうね、俳優がほんとに死んじゃっちゃいけないなあ。俳優は映画の中で死ぬべきですよ。スト...続きを読む
  • 寺山修司少女詩集
    酒飲みで田舎者でマザコンでどもりで家出の教祖でギャンブル好きの寺山修司だけれど、この人の本質は女の子なのだと思う。
    「名詞」が好き。
  • さかさま世界史 怪物伝
    考えも及ばぬ批評が書かれている。

    個性的な人物を個性的な見地で評されている。


    少々…かなりの下ネタあり
  • 幸福論
    寺山修司の著作を読んだのは初めてだったのですが、とにかく引用が多いこと、登場する人物名が多岐に渡ること、文の表現や比喩、状況の描写などが独特であること、競馬の知識が皆無であること等から、その言わんとすることはなかなか理解し難かったのですが、彼の伝えたいことはその独特の文章から少しばかりは汲み取ること...続きを読む
  • 書を捨てよ、町へ出よう
    評論集。途中の詩集は、正直、さっと読んだ。
    氏と私の年齢差は24歳。金田ストライクや、ファティング原田などの共通項がかろうじてあるくらい。
    素材はもちろん古いが、氏が言いたいことはわかるようになってきた。
    その一つが「無菌状態で育った個体は、外界では生きられない」ということ。
  • 寺山修司少女詩集
    一度だけ読んだ詩集ですが、さらっと読んでいるだけだと、文字から得られるビジュアル的な印象が強かった。
    ハッとするような表現ももちろんありました。
    ロマンティックだけど、背徳的な印象も受ける。
  • 寺山修司少女詩集
    優しい文章の中に、ちょっぴり毒が盛り込まれている詩集。
    時間を置いてから読み直すと、また別の発見があるような味わい深さがある。 これからも本棚に飾りたい。
  • あゝ、荒野
    ネオン溢れる新宿という荒野。登場人物たちの心象風景としての荒野。
    45年経た現代にも荒野はあるのだろうか。それはどんな風景か。
  • 寺山修司全歌集
    風土社、沖積社の「寺山修司全歌集」を底本として、講談社学術文庫の一冊となりました。巻末には、塚本邦雄と穂村弘の解説が載せられています。
  • 寺山修司少女詩集
    半分愛してください
    のこりの半分で
    だまって海を見ていたいのです


    童話的な美しさを持つ世界観の中にも、憂愁や残酷性が見え隠れするところがとても魅惑的。
  • 戯曲 毛皮のマリー 血は立ったまま眠っている
    面白かった。戯曲っていうものが、これほどシーンを想像させられるものだとは思わなかった。内容も凄く好き。何度か読み返すと思う。
  • 戯曲 毛皮のマリー 血は立ったまま眠っている
    サーカスと舞台の融合、当時でいう「見世物小屋」の確立を計った作者による戯曲。ストーリー展開よりも、マリーのキャラクターにドキドキさせられる。性別の差も超え、強い光であろうとする存在は、悲劇こそ喜劇であると説明した、親と子の正直なる戯れ。
  • さかさま世界史 英雄伝
    タイトルにさかさまを付けたがるこの人。偉人を認めているからこそ、あえて皮肉りたくなる、かわいい人間心理のあらわれ。月光仮面が太陽仮面でないところに注意せよとか言ってるけど、そういうことが悩みのうちは、人生楽しいのだろう。
  • さかさま文学史 黒髪篇
    好きです。文豪などを女関係の側面から描く新文学史。坂口安吾のくだりに感動。太陽と月、陰と陽ではないですが、男女の一対なるバランス。マイナス要因も含め、異性と喜怒哀楽する、そんな人生を噛みしめたい。
  • 誰か故郷を想はざる
    「書を捨てよ〜」ではしっくりこなかった寺山修司の文章が上手く飲み込めた。
    途中に「書を捨てよ〜」内にあったセクションが何箇所か出てくるが、この本の中で読むと少し印象が異なる。
    著者の少年時代を描いた序盤から、学生運動を論じた終盤まで、良い意味で期待を裏切られる一冊。
  • 誰か故郷を想はざる
    一章「誰か故郷を想はざる」
    二章「東京エレジー」の二章からなる。

    「誰か故郷を想はざる」では、青森県弘前市に生まれてから二十二歳の青年になるまでを詩的に綴っている。
    同郷、太宰治の心中について彼は、「死を内蔵しない生などは存在しない」「心中は二人が長い間大切にあたためてきた『死』をも終わらせてしま...続きを読む
  • 幸福論
    「幸福とは決して一つの状態ではないと知ったとき、『幸福になってしまったあと』などという言葉は失くなるはずである」
    ジュール・ルナアルの言葉を思い出させる一文。
    寺山修司は出会いを勧める。ときには家出を、変身を、快楽を奨励する。それは常に動的である。

    「幸福の相場を下落させているのは、幸福自身ではな...続きを読む
  • 戯曲 毛皮のマリー 血は立ったまま眠っている
    初期戯曲集。
    「さらば、映画よ」「アダムとイヴ、私の犯罪学」「毛皮のマリー」「血は立ったまま眠っている」「星の王子さま」を収録。


    (空を見あげて)この上に空があるんです。
    屋根の上に星が出ているんです。
    たとえ見えなくても
    星は光っているんです。
    でも、あの星も
    お芝居なの?
    —「星の王子さま」...続きを読む
  • 誰か故郷を想はざる
    花に嵐のたとえもあるさ 死ぬことだけが人生だ
    寺山の自叙伝。

    『あらゆる想像力はイヌではありえない。現実問題の報復を想像力に果たしてもらおうとする考え方は、想像力と現実との不幸な雑居生活かであり、実人生の恨みを他ではらしてしまうことである。』

    詩のスタートは、水先案内人であってもイヌではない。逃...続きを読む
  • 戯曲 毛皮のマリー 血は立ったまま眠っている
    森田剛くんの舞台に行く前に読んでおこう、と思って購入したんだけど、「毛皮のマリー」を読み終わった時点で、これはこのままにしておいて、舞台を観終わってから読もうかな、と気持ちが変化。
    不思議なこの世界がどんな感じに表現されるのか楽しみにしておこう。