寺山修司のレビュー一覧

  • 書を捨てよ、町へ出よう
    寺山修司氏の1967年の著作を、1975年に文庫化したもの。

    同じ寺山氏の1963年の著書『家出のすすめ』と何となくタイトルが似ていて、混乱します。
    まあ、どちらも寺山氏らしい、とっ散らかったエッセイ集ですが、印象としては、寺山氏20代の著書である『家出のすすめ』よりも、寺山氏30代の著書である『...続きを読む
  • あゝ、荒野
    2021年、2冊目は、最近、プチブームの少し前の話題作シリーズ(菅田将暉主演で映画化されたため)であり、敬愛する寺山修司の作品(敬愛するとか言っておいて、今さらかい⁉️)。

    吃りと赤面対人恐怖症に悩む〈バリカン〉建二は、〈片目〉の堀口のボクシングジムの門を叩く。同じ頃、堀口はレコード店の前で、新宿...続きを読む
  • 戯曲 毛皮のマリー 血は立ったまま眠っている
    1976年に角川文庫から発売された寺山修司戯曲集。
    内容紹介には、初期戯曲集とありますが、演劇実験室天井桟敷の初期の2編の台本と、天井桟敷以前の戯曲3編が収録されています。

    自分、寺山氏の演劇作品は全く観賞したことがないんですが、寺山修司監督映画『書を捨てよ町へ出よう』と『田園に死す』は、なぜか好...続きを読む
  • 幸福論
    “性”を扱ってる章がとても好きだった。性行為における「イク」という言葉の意味の面白さ(距離、何処に行くのか?)風俗嬢が口にする「遊んでいかない?」というセリフ(愛していかない?ではない)
     自慰行為の想像力(僕は自慰って言葉が好き、自分を自分自身で慰めるって素敵じゃない、性的にだとしても)
     二人で...続きを読む
  • あゝ、荒野
    この本のテーマは、「それでも生きていかなければいけない人間について」とか「命の重さ」かなあと感じた。

    青春小説と言ってる人もいるくらいなので、青年2人がボクシングで絆を深める話なのかと思ったら、全く違う。

    p12.バリカンが「何とかして周囲にひしめく人類の一パーセントたちに好かれたいと思っていた...続きを読む
  • あゝ、荒野
    河出文庫版。烏が表紙のやつ。何年も積読やったんやけど、平成が終わる前に昭和の臭いしかしないこれを読み終えたぜ。
    この時代の新宿などわたしが知るはずないけど、路地裏なんかの換気扇の臭いがしてきそうな雰囲気。

    バリカンくんせつないなー。でもそれが彼の向き合い方で自己表現の仕方なんやな。
    バリカンくんと...続きを読む
  • 寺山修司少女詩集
    尊敬する女性にプレゼントしてもらった。わたしが憧れる女性たちが好きな本。とても素敵な言葉が紡がれていて、驚いた。とても面白かって
  • 書を捨てよ、町へ出よう
    原作のエッセイを読んで、いまいち分かりにくかったのだが、年配の友人に寺山修司ってどういう人?って尋ねたら、映画の方が面白いよと言われて読後に鑑賞もしてみた。

    確かに面白かった。原作で読んだ言葉たちが繋がった。「書を捨てよ町へ出よう」とは「町そのものを書物のように読むべし」ことだそうだ。町とはそこに...続きを読む
  • 寺山修司全歌集
    短歌、俳句、詩、エッセイ、評論、演劇…。芸術のジャンルを軽々と飛び越え、その鬼才ぶりを発揮した寺山修司。言葉の錬金術師は歌う。故郷を、愛を、青春を、父を、そして祖国を。短歌の黄金律を、泥臭く、汗臭く、血腥い呪文へと変貌させる圧倒的な言語魔術に酔いしれる。
  • あゝ、荒野
    2017年10月の映画公開に合わせ購入。
    新宿を舞台にした生々しい昭和の香り。昔は新宿も薄汚かったのに、小綺麗になってしまった。ここに描かれた昭和が懐かしい。小説には出てこないけれど、コマ劇場前の噴水とか、昔の歌舞伎町を思い出した。何という小説ではないけど、昭和の新宿を生きた人たちの哀愁を感じる。寺...続きを読む
  • 寺山修司少女詩集
    愛ってなんだろう。
    死ってなんだろう。

    考えても考えてもキリがない。

    だけど、考えなくては前に進めない時がある。

    それを教えてくれる指南書のように感じる。

    溢れる想いを、どこへやったらいいか。
    道に迷った時、どこを目指したらいいか。
    悲しみに暮れる時、どこに愛を示すか。

    詩というものをあま...続きを読む
  • 書を捨てよ、町へ出よう
    《ノック(30時間市街劇)》という演劇の存在を知り、興味が湧いたので読んでみた。寺山修司という人が、天井桟敷や、映画や、詩などを通して何をやりたかったのか少しだけ分かった気がした。当時はあらゆる人間が、とにかく何か動かしてみること、行為を起こすこと、を求めていたのかも。私は今、あした何が起こるかわか...続きを読む
  • 戯曲 毛皮のマリー 血は立ったまま眠っている
    戯曲も寺山修二も初体験。想像していたより、エンタメ色のある楽しい戯曲だった。
    「毛皮のマリーになんて、なるんじゃなかった!」醜女のマリーを演じてみたい。
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    他の方のレビューを読んで、「さらば、映画よ」がサイコパスにて引用されていたこと...続きを読む
  • 寺山修司少女詩集
    どきりとさせられる言葉が随所にみられ、瑞々しい感性にも触れられた。「そう 恋のまたの名はおばけだよ」などなど思春期に読んでいたらもっともっと心にきたであろう。でも読めて良かった。次は音読したい。
  • 寺山修司少女詩集
    自分的には、もっと短歌的なものを・・・
    って書こうと思ったのですがこれ詩集ですね
    短歌集を買えばいい話ですよね
  • 幸福論
    「私たちの時代に失われてしまっているのは、
    幸福ではなくて幸福論である。」

    哲学といっしょで、幸福そのものよりも(そんなものはきっとない)、どうすれば幸福か、なにが幸福かを考えて行動することのほうが大切、だと思う。


    ・書物の歴史性を、現在化していくおは、読者の肉体である。
    →どういう肉体のコン...続きを読む
  • 幸福論
    幸福論は未来にしか存在せず。
    アラン的幸福論による認識の転換、雨の日でも良い側面がある、などといった思考を無理に変えるような自己欺瞞ではない幸福論を。
    その鍵はー想像力か?
    幸福である事に対する理性的判断も捨て去る?

    引用
    想像力も、交換可能の魂のキャッチボールになり得たときには、幸福論の約束事に...続きを読む
  • 寺山修司少女詩集
    愛や恋、海などを題材にした詩が多いのが印象的である。他にも短い物語なども見られる。
    詩人の表現力の高さには驚かされるばかりである。身近な題材であるが、それをとことん追究する様子は一種の哲学のように思える。
  • 幸福論
    『本を読むということは「人生をおりている時の愉しみ」か、あるいは「人生を何かによって閉ざされている状態の代償行為である。』
    『「正義」の最大の敵は「悪」ではなく「べつの正義」なのだ、というのが確信犯の倫理である。』
    『想像力があれば存在することができる』
  • 書を捨てよ、町へ出よう
    思わず一気読み。今でいう中二病的視点と俗っぽくて場末のスナックで一人呻いているおっさんのような人間臭いユーモアが同居していて、寺山修司の人間としての深みがアンバランスな文章に浮き出ていて面白い。笑うに笑えない、または笑えないのに笑えてしまう、というか。真面目に競走馬のセックスについて綴られている場面...続きを読む