時野つばき - ニューメディアプレス作品一覧

  • あの子の骨は井戸の中
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    「英雄なんざ必要ねぇ! 希望の灯火だとか光の刻印とか世迷い事抜かしてる暇があんのか?」「だったら俺が行く。他の誰かの助けなんか、待ってられない」 ゴブリンに攫われた少女を取り戻すため、薬草屋の中年男と見習い鍛冶屋の少年は荒野を行く。僅かな痕跡をたどる追跡は、やがて死臭と怨嗟溢れる『屍の井戸』へとたどり着く。ファンタジーでは飽きるほど繰り返される最初の冒険を、刑事ドラマさながらの丹念な筆致で克明に描き出す。些細な低レベルの事件、されど災厄に見舞われた当の親子にとっては命に関わる唯一の悲劇。別離と喪失の冒頭からやすらぎと昇華の終幕へ。これは引き裂かれた親と子が、再び巡りあう物語。
  • まどろむダンデライオン~カリフォルニア警察物語~【イラスト入り】
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    サンフランシスコ市警の新米刑事ハルカが先輩刑事ライオネルに惚れた。強面で、肩幅広くて胸板の厚い、がっちりした男前の男に。「俺、ホモだったんだ……」悩みながらも告白を決意したその朝、告げられたのは別れの言葉。「今月一杯で転属する」引き止める事も打ち明ける事もできぬまま一年が過ぎ、同僚の結婚式で二人は再会する。呑み過ぎて潰れたハルが意識を取り戻したのはライオネルのアパートだった。至近距離で見つめる青い瞳、今にも手が届きそうなふわふわの赤い髪。ギリギリまで追いつめられ、思いの丈をぶちまける。「先輩、ちゅーしていいですか!」「お前、絶対それだけで終わらないだろ!」その場で初めてのキスを交わして結ばれる。満たされ、幸せの余韻に浸るハル。一方でライオネルは苦悩を噛みしめていた。そしてもう一人、仲むつまじい二人を監視する男が居た。「お前にふさわしいのは俺なんだ。じっくり思い知らせてやる……その、体に」※本作品はイラスト入りです。
  • 飯付き風呂付きオヤジ付き【イラスト入り】
    4.7
    おっちゃんはセックスの時、声を出さない。近所に聞こえたらまずいだろ、って言うのがその理由だ。俺は今まで一度もこの人が本気で喘ぐのを聞いた事がない。聞きたいと、思う。(「雷を待ちわびる」より)目つきの悪さで人生の三割は損してる大学生の『俺』と、のほほんとしてるようで仄かに腹黒い中年の『おっちゃん』。縁あって築六十年の日本家屋で一緒に暮らしてる。時に年上の手練手管に転がされ、時に若者の情熱に翻弄され、求め合い、引っ付き合い、他愛のない日々を重ねる。まばゆく白く照りつける夏の太陽の下、二人で一緒に歩いて、買い物をして、飯を食う。舞台は南九州の架空の町、基本はまったりゆったり進行のコージーなBL。低身長年下攻め×おやじ受け、年の離れた恋人たちのゆるーい日常をつづった連作短編集。どこからでも読める。好きな所だけ読み返せる。お休み前のひと時に。寛ぎたい時にいかがでしょう?
  • 我は誓う剣に友に~バルナ・クロニカより
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    失われた四つの心魂、分かたれた五つの種族。真王は死せる闇に堕ち、灯火は巡り語り部は謡う。『剣を掲げよ空高く。泥の中より得し剣を』大荒野で生きる少年グレンは幼い頃、古い剣を見つけた。何の力も無いありふれた鉄の塊。それでも彼にとって唯一の特別な剣。長じてグレンは鍛冶屋に弟子入りし、錆びた剣を自らの手で鍛え直す。そして今、相棒ハーツの協力を得て剣に名を与え、魂を分かつ『絆の誓い』の儀式を行おうとしていた。時同じくして闇の中、腐臭をまとい蠢く影が平和な村に忍び寄る。これは『英雄』の魂を宿した『普通の人々』の物語。本作はTRPG「バルナ・クロニカ」の世界観と設定を元にしたノベライズです。

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