あらすじ
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2005年、日本で初めて炎上という表現が使用されて以降、SNSの普及もあいまって、炎上事例は増え続けている。そうした事例のなかには逮捕者が出たり、誹謗中傷に悩み自殺にいたるケースもあるなど、見過ごせない状況になっている。本書では、東芝クレーマー事件、UCC上島珈琲、PCデポ、ラーメン二郎仙台店、ローチケHMVチケットキャンセル騒動、大戸屋バイトテロ…など実際に起きた企業の炎上事例を題材に、主にTwitterの投稿内容から炎上参加者の特徴や、炎上が及ぼす企業の評判への影響など、その構造を解析。
炎上は誰が、なんのために起こし、なぜ飛び火するのか? 炎上前の予備知識として、そして、炎上後の適切な謝罪にも役立つネット時代の広報必携書。
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Posted by ブクログ
タイトルよりおとなしい内容。真面目な研究スタイル。炎上に参加する人は、必ずしも、生活に不満があってその捌け口として、人を攻撃しているのではなく、規範意識が強い人が多いというのは、面白い指摘。自分のこと正しいと思ってる人は、他人に攻撃的だし、厄介ってこと。
Posted by ブクログ
炎上対策のお勉強。
2014に行ったウェブモニタ調査(n=19,992)をもとに、過去1年以内の炎上の参加経験者は、ネットユーザー全体の0.5%、数十万人前後と推計しています。
現在はもう少し参加経験者は多いのではないかと考えられます。…少なくとも100万人は超えているのではないかと私は推測しています。
…炎上では、炎上した者が実社会で処分されたり、時には自殺に至らしめるまで追い詰めるほどの抗議が行われることがあります。なぜそこまでネットでの批判が過熱し、さらに所属先などにわざわざ電話で抗議する人々が出るのかといえば、批判的・攻撃的な感情をネットで表出しあうことでそれらが強化されるからなのかもしれないと考えられます。
ソーシャルメディアの発展とともに炎上は増えており、さらにマスメディアを含めたメディア環境が変化したことで、影響力が大きくなっています。また、みんなで特定の人や企業を叩いて盛り上がるという「祭り」としての側面と、間違ったことをした相手を糺す「制裁」としての側面があると考えられます。
大渕憲一は、攻撃を和らげる戦略として謝罪という行為を研究しています。その中で、謝罪という行為に含まれる6つの要素を挙げています。
「負事象の認知」
自分の行為によって被害など負事象が発生したことを認める
「責任受容」
負の事象の発生に対して自分に責任があることを認める
「改悛表明」
自分が悪かったと認識し、反省していることを表明する
「被害者のいたわり」
被害者の苦しみに理解を示し、これを和らげようと努める
「更生の誓い」
危害や違反行為を繰り返さないと誓う
「赦しを乞う」
被害者(あるいは関係者)に赦しを求める