【感想・ネタバレ】同窓会にて死すのレビュー

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Posted by ブクログ

伝統校メレワース学院の卒業生達が年に一度集まる同窓会。クリケットの在校生チーム対OBチーム戦や、演芸会、ダンス・パーティーと催し物が行われ、賑やかな一日となる筈だった。しかし、そこで卒業生の一人――一部では英雄視されつつも、その傲岸不遜な行いで植民地では問題をいろいろ起こしていると噂のある人物――が銃殺された。

この事件が起こるまでの過程を描くのに作品全体の半分以上費やしており、殺される人物とその周辺の人間関係を丁寧に描き(そして、関係するほぼ全員に様々な殺害の動機があることが判り)、事件のタイミングで全員が校内のあちこちに散らばっていて誰が犯人でもありえそうな緻密な配置になっているのが秀逸。
イギリスの伝統校のいわゆる「同じ学校の卒業生は皆仲間である意識」とか、そういう人達が同窓会に集まるとどんな行事を行うのか、白熱するクリケットの試合、でも途中で行われるティータイムの楽しさとか、そういう英国の伝統校の空気を味わいつつ、ミステリも楽しめる一冊でした。
事件の舞台となる学校の敷地内の配置や建物内の部屋の位置関係など丁寧に描写されているんですが、いかんせんそこらへんを想像する基礎素養(知識量)が乏しいので(たぶん、イギリスの人は充分分かるんだろうなと思う…)、「見取り図…見取り図をくれ…」な気分になったところだけ気にかかったぐらいかしら。映像でみてみたい作品。

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2020年12月27日

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