【感想・ネタバレ】韓国 現地からの報告 ──セウォル号事件から文在寅政権までのレビュー

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Posted by ブクログ

全部読んだけど、個人的には冒頭のセウォル号事件と社会問題の話が印象的だった。乗組員の見方が大きく変わった。

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2023年03月24日

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ネタバレ

韓国の人たちの生の反応を知ることができて良かった。この本の出版がコロナ直前の2020年3月。当時の韓国での、労働や住宅、政治の腐敗などの問題がいろいろ取り上げられているけど、今の日本これと同じじゃん…と驚愕する。

徴用工や慰安婦問題なんかは、日本だと韓国の反応に対してずいぶん批判的な報道ばかりだけど、批判されるような反応をする人は韓国でもごく一部で、普通の人はもっと冷静に対処しようよと思っているのがよく分かる。
なのに日本では、悪意を感じる報道を真に受けて、一般の人でも韓国に冷たい視線を向けるようになってしまって悲しい。

あと、かつてのキーセン観光の話が本当にひどい…。日本がいわゆる先進国だった当時、現地の人に“キーセン観光を楽しみに来る日本人は、自分の国では最下層の労働者。かかる費用は自国の5分の1だった”と言われているのがイタイ。いまの日本なんかどこよりも物価が落ち込んじゃって、後進国ってそういうことなんだな…と。

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2022年07月23日

Posted by ブクログ

ここ数年日韓関係では新聞やネットで情報を見ていると腹が立つことばかりだった。17年から20年は徒歩1分の近さで美味い店があったので、韓国料理は毎週食ってた。ソウルに遊びにも行った。韓国に30年住む著者が2014年から20年1月くらいまでの日韓関係を韓国現地から普通の韓国人の生活、思いをまとめた本。本当にこー言う普通の内容が知りたかった。伊藤さんの著書は韓国留学の前後でも何冊か読んで勉強した記憶がある。定期的に出版して欲しい。

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2020年05月30日

Posted by ブクログ

現地に暮らしている人の視点で近年の韓国のリアルな状況を伝えている好著と思う。日本で一定の存在感があるステレオタイプな韓国・韓国人へのイメージを払拭する良薬(ただし少し苦いかも)。

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2020年04月26日

Posted by ブクログ

韓国は「不動産階級社会」であるとか、韓国人は常に「学ぶ」ことにこだわるなど、推しが韓国にいるので文化風土や政治状況、教育環境や考え方など色々と知ることができて推しの理解の一助になった。

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2023年05月29日

Posted by ブクログ

予想以上に面白く読み進めました。

2014~2020年の韓国について大きな出来事(日本でも大きく取り上げられた出来事)を時系列で現地に住んでる日本人の視点で出来事の内容とそれについてが書かれてあります。

私自身、この期間に韓国に住んでいた、いち在韓日本人だったのでその時の記憶が思い出され懐かしさを感じました。

そして面白かったのは同じ韓国に住む日本人なのにある出来事についての捉え方が違ったことでした。
「あーそういう風に考えるのか」と私にはない視点を垣間見るのはやはり新鮮でした。

とは言え、著者の意見は新鮮でありつつも、「やっぱり私はそうは考えない」と思う部分ももちろんありました。

著者の意見については、読者の判断にはよりますが、その時現地ではどうだったのか?という現地に住んでいる人しか分からない実情というのはこの本を読んで知ることができると思います。

韓国について知りたい方は読んで損のない本だと思います!

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2021年10月04日

Posted by ブクログ

珍しい韓国の同時代史である。伊藤順子さん、「中くらいの友だちー韓くに手帖」という雑誌を編集、翻訳業も担っている。「82年生まれ、キム・ジヨン」の巻末解説も書いた人である。嫌韓の立場でもなく、韓国を無駄に褒めもしない「中くらい」の立場を保っている、と見えた。在韓日本人。

日本のワイドショーとウェブは、主に嫌韓寄りだ、と私は思慮する。特に徴用工とレーダー照射問題が報道されていた2018年-19年はそうなり、ともすると伊藤順子さんの主張は左寄りに見えるかもしれない。しかし、全て読んだら分かるが、伊藤さんは一貫して変わらない。世の中が変わったのである。

特に強調しているのは、韓国で起きていることと、日本での報道の「ズレ」である。

曰く。
・2014年のセウォル号沈没事件では、韓国は過激なデモや警察の弾圧が日本で報道されたが、韓国人は1年間常に寡黙にずっと哀悼していた。

・朴槿恵退陣を求めるロウソク集会で、韓国全土で200万人が結集したと聞き、日本の一部は「韓国の民主主義が羨ましい」と話題になった。伊藤さんは「日本の安保法制のデモと比較しているのだろうが、悲観することはない」という。政策やイデオロギーデモならば意見は割れる。今回は、韓国国民の「愛国心」に火がついたのである、と。「政権の腐敗を正す」。そういう時に燃えるらしい。(←そういう腐敗の時でも20万人デモさえ、日本は起こらないだろうとは私は予想する)

・因みに、大統領退陣を求めるロウソク集会で、韓国人は何に怒っていたのか?ちょっと時系列を紹介する。
(2016年10月24日) JTBCテレビが崔順実のPCを入手して「秘腺」(外部相談役→司令塔)の証拠を明らかにした。
(10月29日)光化門広場で大統領退陣を求めるロウソク集会3万人。
(10月31日)崔順実緊急逮捕。
(11月4日)朴槿恵第二回謝罪会見。第二回ロウソク集会、20万人。
(11月26日)全国で200万人が退陣を訴える。

つまり、ムーダン(巫女)のような存在が大統領の「司令塔」だったことに、若者は民主主義の危機を感じ、老人たちは父親の朴正煕元大統領に申し訳ないと思ったのである。ところが、この韓国人の気持ちは莫大な日本の報道の中からは、ほとんど伝わってこない(と、私は感じる)。

・徴用工問題で「反日デモ」「日本製品不買運動」が起こった、と日本では大きく報道された。しかし、最大で1万5千人である。しかも、徴用工の時の主張は「反日」ではない。「反アベ」だったのである。しかも、徴用工と従軍慰安婦は、担う団体は、まるきり別系統。日本は一緒くたに「反日」としているが、それにも「ズレ」があると伊藤さんは言う。

・「従軍慰安婦問題」と「徴用工問題」を伊藤さんなりに条文に沿って整理しているが、この視点は、日本人はどのくらい共有しているのだろう。日本人の誰が関連条文、政府公式発言をしっかり読んでいるのだろうか。ワイドショーとウェブが一色に染まって、私はキミ悪さを覚える。

全てではないが、伊藤さんの主張には大いに同意する。特に、韓国人は日本人が思っているほど反日ではない。私も何十回と韓国を旅して、何度もそう思った。

以下、説得力を持たせるために私の体験を具体的に書くが、長くなるのでスルーしてくださって結構です。

2012年8月11日、私は長い韓国旅行をしていた。前日は慶州の安宿に泊まった。前日は韓国大統領が、大統領として初めて独島(竹島)に上陸したと言うことで、携帯の日本のSNSは大騒ぎをしていた。
朝4時に起きた。オリンピックのサッカー韓日戦が始まっている。まだ0-0だ。ところが、日本のパスが全然通っていない。そして向こうのFWが神懸かった様な個人技で一点獲ってしまった。その後もいいところなし。0-2で終る。韓国のチャンネルは4局でやっていて、全部実況の声が違っていた(日本は一つ)。慶州の田舎では、流石に終わった後も外は騒がしくはならなかった。
慶州でいいことなんて一つも無い!ということで、6時50分発のバスで引き上げることにした。大邱に行って陜川のバスがあればそれに乗り、古墳群を見るためである。
そしたら、長距離バスの中の朝のニュースは、八割がサッカー、一割は大統領独島訪問、他はオリンピックニュースだった。この割合は、バス待合所やホテルのテレビでもずっとそうだったか、むしろ独島訪問は無視されていた。
韓国人にとっては、独島(竹島)は愛国心発露の象徴ではあるが、今回ばかりはサッカーによって完全に消し去られた。

そのあと、ずっと私は韓国の田舎を15日ほど旅したのであるが、韓国語が拙い明らかな日本人の私を差別したり、嫌ったりされたことは一度もなかった。むしろ、たくさんたくさん親切してもらった。道を丁寧に教えてもらうこと数えきれず。日本人と分かると、むしろ「こんな田舎によくきた」と見知らぬ私を、家や、絵の工房や、合唱の練習場に引き入れ、コーヒーをご馳走してくれたことが三回もあった。人と場所は、勿論違う。日本人は、果たして外国の通りすがりの旅人にそんなことをするだろうか。

ところが、日本に帰ってきた時に、例外なく先ず聞かれたのが、「韓国大丈夫だった?」のひとことである。この2週間、日本人は在韓反日(私のような旅人へ)の心配よりも、在日嫌韓(韓国嫌いへ)の嵐が吹き荒れていたのだと合点した。

日本人は韓国人をわかっていない。私もまだわかっていないことを本書を読んで痛感したが、少なくとも日本人の韓国認識には大きな「ズレ」がある。

〈後書き〉で、伊藤順子さんは旧正月をあけた後の韓国の新型コロナウィルスのことに触れている。2015年に、韓国の社会がMERSウィルスでパニックになったのは情報公開がきちんとされなかったかららしい。この時、朴槿恵政権は2016年春の国会議員選挙(4年に一回)で、事前予想を大幅に裏切って大敗をする。今年の4月に、また国会議員選挙があるのは巡り合わせであるが、その結果に注目してほしいという(伊藤さんは2020年2月に原稿を書いている)。「日本人はそこから学ぶべきことがあると思う」。

結果は文在寅政権の大勝だった。
初期からの対応、情報公開、「公平で公正な社会」への理想。それがどれだけ実現したのかは、どこかで伊藤順子さんにまた語ってもらいたいが、結果は出た。翻って日本はどうだろう。
韓国は、いろんな意味で「注目すべき隣人」だと思う。


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2020年04月29日

Posted by ブクログ

朝日新聞の「論座」で連載されている「現地発、「ここだけの韓国の話」」を2014年のセウォル号事件から文在寅大統領当選までと、いくつかの書下ろしをまとめた本。現地に暮らしている人の目線で韓国の状況を発信している。各章扉の裏に、その期間での韓国の出来事を時系列で載せてあるのも便利だ。第一章「不信」セウォル号事件2014~15、第二章「政変」政治参加する人びと2016~17、第三章「歓喜から混乱へ」文政権のジレンマ2018~20、第四章「韓国の教育現場から」日韓どちらが生きずらい?、第五章「旅、友だち、それぞれの日韓」。

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2020年03月08日

Posted by ブクログ

第2次安倍政権(2012年〜20年)下で進行した「嫌韓」ブームを背景に、日本のワイドショーによる一面的な報道に反発して(池上某も批判されている)韓国側の目線で時事トピックを解説した連載のまとめ。
映画やドラマでは統制と抑圧が過剰に描かれがちな学校生活だが、現実には2010年以降、各地方において児童生徒人権条例が成立して、体罰禁止、茶髪化粧携帯電話の自由などが保証されているという話題には驚かされた。成立の過程には児童達も参画しているという事情を知ると、18歳選挙権を与えられた日本の高校生達が見習って頑張ればブラック校則の撤廃も可能なのではないかと……。
【蛇足】今では聞かなくなった「キーセン観光」を取り上げて、「韓流ブーム」をその裏返し(リベンジ)と説くくだりはなるほどと。

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2023年08月12日

Posted by ブクログ

韓国通の日本人というより、殆ど韓国人の目線。
日本の嫌韓が理解できず、韓国の一般ピーポーは冷静だ的な展開だが、そうだろうな、こんなふうに思ってんだろうなとは思えた。

ちょっと不愉快。
こりゃ、当分無理だと思う。

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2021年01月04日

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