あらすじ
悲しみ、涙、嘆き、苦悩、葛藤、温もり、想い、怒り、悔しさ……。
法律に基づいて客観的に人を裁く裁判官。よほど「私情」とは縁遠い存在に思える。
しかしそうは言っても、裁判官も人の子。血もあれば涙もあるし、情にほだされてしまうときだってある。
死刑と無期懲役との間で葛藤もするし、モラルのない弁護士がいれば法廷で怒るときもある。殺人犯の更生を願いもするし、逆に涙する被告人に対して非情にふるまう女性裁判官だっている。
もしかすると、裁判官は誰よりも人間味に溢れた存在なのかもしれない。
本書では、30年以上民事・刑事・家事・少年という多種多様な事件を担当してきた元・裁判官が、実際に体験した法廷でのさまざまな“ドラマ”を交えながら、普段はドライにふるまう裁判官の「本音」を明かしていく。
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Posted by ブクログ
「常に冷静で感情に流されない」という一般的な裁判官のイメージとはまた違った、筆者のこれまでの葛藤を様々なエピソードを交えて簡潔に書いている本。
「裁判官も人間なんだな」と素直に思えるような内容。
法律に詳しくない人でも理解できるよう分かりやすく述べられている反面、それぞれのエピソードが短く、「え、もう次の話?」と物足りない印象があった。
Posted by ブクログ
内容が薄いという感想もちらほら見かけましたが、裁判官という職業の方の一個人のエッセイだと思って読むと、話題が多岐にわたっていて興味深かったです。
「裁判官は非常識すぎる」などと話題になった判例(父が実子に性暴力をはたらいていた件など)も、その裏にはそういった判決を出さざるを得ない事情があることも(腑にはまったく落ちないけど)わかりました。
さらっと読めて1エピソードあたりのボリュームも少なめなので電車移動のお供に丁度良かったです。
終盤、まさかの岡口基一さんの名前が出てきて、角田龍平ラジオのリスナーとして不意打ちすぎて電車内で思わず声がでました。