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Posted by ブクログ
読みやすくて毒のないのが個性のk.m.p。
これは幼いころから現在までのちょっとした「やなこと」がイラストエッセイで描かれている。
幼いころから高校生くらいまでは「あるある」がいっぱいで女子ならほとんどの人が共感できそう。その先は二人とも美大から会社でデザイン系の仕事をし、退職してフリーの道を歩んでいるので、だれでも同じ体験をしているわけではないが、営業マンの勝手で、無茶なスケジュールの仕事をせざるを得なかったり、独立しても「女の子が遊びみたいな感じでやってるんでしょ(楽しくていいね)」的な見方をされる、というのもよくわかる。そこで憎しみや怒りを煮えたぎらせて表現せずに、ふんわりとやさしく表現するのはこの二人の人徳というか。まあもっと怒っていいんじゃないかという気もするけど、あまり角を立てずやっていこう、と矛を収めてストレスを抱える、日本人には多いタイプだと思う。
でもやはり高校生までの部分が面白かったので、二つに分けて本にしたらよかったんじゃないかという気はする。
親や教師の理不尽って、本当に子どもの心を苦しめるよなあ。それに反抗や反論する術のない自分にも腹が立つし、やるせなさで涙がこぼれるという経験は私にもあったので、ムラマツさんのパートは特に心にしみた。