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地方をめぐる状況が全然好転しない中での一筋の光、、と言うと言い過ぎかもしれないが、前段のコンセプトのところから魅力的な取り組みと感じる。
ただし本質的には会津若松市を相手にしたコンサルの客商売であることに留意せねばならず(営利企業である以上当然なのだが)、暮らしの「スマート化」で犠牲になるものについては語られていないし、会津若松市民を終始客体化しており街をつくる仲間とは捉え切れていないように見える(インタビューパートにも登場しない)。なぜなら恐らくは、それは彼らのビジネスではないからである。
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会津若松市が取り組んでいる市民主導型のスマートシティプロジェクトは、まさにSociety5.0そのものであると言えよう。ビッグデータプラットフォームを整備し、さまざまなデータを収集・分析。最先端の技術や知識を持つ企業や団体とコラボレーションすることで、オープンイノベーションを起こしている。市民の暮らしを網羅する「エネルギー」「観光」「予防医療」「教育」「農業」「ものづくり」「金融」「交通」の8つの領域をターゲットに、アナリティクス人材の育成にも力を入れている。
スマートシティの実現には、オープンな連携が不可欠だ。なぜなら、特定の企業や団体に限られた協業で得られる成果は限定的になってしまうためである。多岐にわたる市民生活を根本から変え、市民主導型のスマートシティを実現するためには、さまざまなステークホルダーが連携してくことが重要だ。
(引用)SmartCity5.0 地方創生を加速する都市OS、アクセンチュア=海老原城一、中村彰二朗著、株式会社インプレス、2019年、115-116
現在、我が国は、多くの課題を抱えている。少子高齢化、社会保障費の増大、そしてエネルギー問題など。このような高度経済成長期とは違う、新たなステージの到来を受け、ある地方都市では、データとデジタルテクノロジーを駆使して地方創生を図っていこうとする動きがある。あの2011年に発生した東日本大震災からの復興支援策としてスタートした会津若松市のスマートシティプロジェクトである。
意外にも、会津若松市が進めるスマートシティプロジェクトで大切にしている考え方は、鎌倉から江戸時代にかけて活躍した滋賀県の近江出身の商人による「三方よし」である。三方よしとは、「売り手よし」、「買い手よし」、「世間よし」という近江商人の精神をあらわしている。会津若松市では、三方よしを「市民によし」、「社会によし」、「企業によし」と再定義しているが、最先端のテクノロジーを駆使した地方創生を取り組みにおいて、古き良き日本人の精神を置き去りにしていない。
会津若松市に住んでいなくても、スマートシティが実感できるサイトとして、「会津+(プラス)」がある。これは、市民とのインタラクティブな情報共有を目指して、市民一人ひとりの属性情報に沿ってパーソナライズされた市民サービスのデジタル窓口である。言い換えるならば、「必要な情報を必要な人に届ける」というシンプルなものだ。その必要な情報を届けるという仕組みを構築するため、会津若松市では、さまざまなデータを収集・分析している。このデータ収集は、情報提供者が目的を理解して提供する方式、いわゆるオプトイン方式を採用している。また、データの信頼性を高めるため、会津+では、KPIを設けるなどしている。
この会津+のサイトは、市民や事業者だけではなく、外国人観光客にも対応している。私も会津+のサイトを閲覧してみたが、2018年2月からロボットのマッシュくんが答えてくれる「LINE de ちゃチャット問い合わせサービス」も始まっていた。デジタルデバイドを少しでも解消し、どの年代の市民にも、デジタルシフトしていこうとする会津若松市の姿勢を垣間見ることができた。
会津若松市の人口規模は、日本国民の1,000分の1である。しかし、会津若松市が取り組む実証実験や市民オプトインなどは、他の地方都市にも広がっていくことが期待される。それは、冒頭にも掲げた我が国の課題が、どの地方にも当てはまるからである。これらの課題を克服するため、最先端の科学技術を用いたSmart Cityの取り組みは、これからの地方都市に必要不可欠なものであろう。
ただ、単に最先端の科学技術を用いれば、国のいうSociety5.0の社会が生活者や観光客に受け入れられるわけではない。会津若松市の進めるSmart Cityは、そこに住む人たち、そして訪れようとする人たちが「主役」としているところに、あらなた時代の地方創生手法としての希望を感じた。
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現在のスマートシティについて、会津若松の事例でわかりやすくかかれている。
それにしても、アクセチュアは、ビジネスがうまい。
新たな取り組みには、必ず絡んでいる。
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アクセンチュアが震災を機に、会津を震災前より、よりよく再生するために、コンサルするだけでなく、乗り込んで行って実践した記録。なぜやるのか、どうやってやるのか、何をしたのか、これからなにをするのかが明解になっていて、わかりやすい。
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スタンス、プロセス論は非常に参考になる。
p131は非常に重要な論点であるが、やや抽象的な論になっていた点は残念。
→解はケースバイケース種々多様ということか。
大企業で地域協創に関わる際は、ヒアリング後のサイクルを意識。課題起点で解決の方向性を考え、見通しを持って再議論。
日本をどうしていきたいのか?という問題意識を携、発想を自由に持つ。
Posted by ブクログ
アクセンチュアがエンジンとなって推進されている。出口はどうなっていくのか?いつまでも関わり続けるのか?地方自治体に引き渡された以降はどうなって成長して行くのか?10年20年先の姿をどのように描いているのか、本の中では分からない。
Posted by ブクログ
3.11から時間をかけて積み上げてきたスマートシティ構築の事例集。
多くのプレーヤーが参画することで、複数領域でのデジタル化が実現。他地域では別の展開が必要だが、会津若松の特徴も考慮して参考。