【感想・ネタバレ】再発見 日本の哲学 平田篤胤 霊魂のゆくえのレビュー

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Posted by ブクログ

平田篤胤と言うと『霊の真柱』に描かれた宇宙誕生の図や生まれ変わりの話の聞き書き等が思い浮かんでしまい風変わりな国学者た言った印象だったのだが、当時民衆の間に根付いていた仏教思想を否定しながら人間の尊厳を根拠づけるために人の誕生から死までの途を確定しようとし、その結果として、代替可能な個人という近代国家が要請する新しい時代の人間観を準備してしまったと言うのは、なかなか意表をつかれるものだった。
仏教的な業の思想こそがある人をその人であってその人以外ではない存在とし、篤胤が言うような神の御霊を分け与えられて生まれた、初めから祝福されて生まれた人間という考えが結果的に行為する人間として代替可能な存在になってしまう。その何処か逆説的な構図が興味深かった。

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2017年02月13日

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