【感想・ネタバレ】光源氏になってはいけない――「悪目立ち」せず生きていく作法のレビュー

あらすじ

【内容紹介】
『ストーリーとしての競争戦略』楠木建教授が絶賛!「読んでないのに面白い。平成なのに役に立つ」
女たらし、ロリコン、マザコン、回避依存症、自惚れ、官僚体質、リーダー失格、家庭崩壊、ネグレクト、美少女ゲーム廃人、アラフォー自分探し……。
源氏物語は、「なってはいけない」大人の事例集です。

【著者紹介】
[著] 助川幸逸郎(すけがわ・こういちろう)
1967年生まれ。早稲田大学教育学部国語国文学科卒業、早稲田大学大学院文学研究科博士課程修了。現在、横浜市立大学のほか、早稲田大学、東海大学、日本大学、立正大学、東京理科大学などで非常勤講師を務める。専門は日本文学だが、アイドル論やファッション史など、幅広いテーマで授業や講演を行っている。『源氏物語』の登場人物で、もっとも学ぶべきだと思うのは頭中将と源典侍、もっとも学んではいけないと思うのは光源氏と藤壺。著書に『文学理論の冒険』(東海大学出版会)、『可能性としてのリテラシー教育』、『21世紀における語ることの倫理』(ともに共編著、ひつじ書房)などがある。

【目次抜粋】
はじめに
第一章 もてないやつほどよく語る〈雨夜の品定め〉
第二章 女性を幸福にできない「回避依存症」の男〈なぜ夕顔は死んだのか〉
第三章 「わざと軽く見られる」という知恵〈恋愛マニアを手玉にとる源典侍〉
第四章 イケてた人ほど「イタい人」になる?〈中年になった光源氏の悲哀〉
第五章 覚悟のない人間がリーダーになったら〈桐壺帝の悲劇〉
第六章 優等生が策略家に変わるとき〈じつは腹黒い藤壺〉
第七章 消化試合こそ人生の岐路と思え〈明石入道の深謀遠慮〉
第八章 光源氏と「ジャイアンツの論理」〈朱雀帝の逆転ホームラン〉
第九章 官僚体質がもたらす家族崩壊のワナ〈父に似ぬ堅物、夕霧の誤算〉
第十章 社長にするなら長女、妻にするなら次女〈大君はなぜ女子力をうしなったか〉
第十一章 たいしたことない女をお姫様だっこしたくなるとき〈バカップルの系譜〉
第十二章 アラフォー世代の不毛地帯〈浮舟の「自分探し」の果て〉
解説
参考文献
主要人物系図
あらすじ

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Posted by ブクログ

帯にあるように、『源氏物語』を知らずともとても楽しめる。後半にある浮舟の考察はとても面白い。個人的にはまさに浮舟は雨夜の品定めにある、意外なところに住んでいるちょっといい女、に当たるのではないだろうかと思う。ただし、浮舟自身が「ちょっと」いい女、と思っていたかは、至って怪しいところではあるが。
平安時代と現在を比べながら論が展開されるので、とても分かりやすく読めた。

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2012年02月09日

Posted by ブクログ

う~むどこから突っ込んだらよいのか。個人的にツッコミどころが満載だった。

前半はそこれそ光源氏から読み解く「割る目立ちせずに生きていく方法」っていうのが述べられていた。啓発本にしてはだいぶ後ろ向き?な考えだなとは思ったけど。
いやメインは啓発本とかそんなんじゃないだろうけど。
後半は光源氏よりも『源氏物語』や藤原道長、摂関政治等に焦点を当てていて光源氏はそんなに関係ない。

『源氏物語』に関する専門書や論文といった類のものとは違うからどこまで追求ししていいかわからないけど、氏の考え方はユニークな分ツッコミどころが多かった。
サラリと書いてるけど頭の中将が葵の上の弟説、源典侍が藤壺の入内を薦めた古参の典侍と同一人物説とかは誰がそのように提唱しているのかきちんと明記して欲しかった。すごく気になるんやけど。

」特に第六章を読むとまるで藤壺がすすんで密通したかのような印象を受ける。
なんだか全体的に結果論に対していろいろな考えを述べているだけな感じもする。いや読んでいるぶんには楽しんだけど、もっと原文や例示を示したりして根拠ある書き方をして欲しいな。
私は氏の考えを論文とか新書とかそういったもっと専門的?な形式で読んでみたい。

いつか『源氏物語』の原文を読んでみたいな。

人物相関図第三部で蜻蛉宮とその子供の宮君といった人物が載ってるけどどういった人物なのかすごく気になる。どのように話に関わったんやろ。
冷泉帝に皇子は生まれなかったけど弘徽殿の女御との間に女一の宮がいるわけだからこの子が唯一藤壺と光源氏の血をひいてるんだよね。
そう考えたらすごく特別な人だと思うんだけどな。藤壺と光の孫か。

光自身には子供は少ないくせに孫が多いのがすごく対照的だと思う。主に夕霧ががんばった結果だけど(笑)

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2013年03月28日

Posted by ブクログ

源氏物語に書かれていることを、歴史上の事実のように深読みして解析したり、「戦国武将に学ぶなんたら」みたいに現代社会に役立てようとしたり、少しやり過ぎの感は否めないが、そういう見方もあるのかと思わせるところも多かった。先に読んでいた井沢元彦の「源氏物語はなぜ書かれたのか」と、書かれた理由が、真逆なのが面白かった。

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2012年01月09日

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